「結果を出すことが私の最大の責務だ」などと、断腸の思いで続投を宣言したホンダの三部敏宏社長にとっては実に耳の痛い“苦言”ばかりのようだが、きょうの日経の「経営の視点」というコラムは、転職組OBたちの声を集めて「苦境に陥る四輪事業」の真因を探っているのが興味深い。
記事では三部社長が四輪事業の課題の本質は、単なる電気自動車(EV)市場の減速だけでなく、米国の関税と新興メーカーの台頭に言及したことに「外部要因だけだろうか」と疑問を投げかけながらホンダを辞めた元社員に話を聞いている。
例えば、ホンダで10年ほど働き、複数の企業を経て現在はIT(情報技術)スタートアップで管理部門を統括しているOBは「金もうけよりも何をなし遂げるかの方が大事。大義を重視する企業だった」と説明。
加えて、「度が過ぎると組織は内向きになり、唯我独尊に陥りがちだ」と分析。実際、「開発では目に見えないところにお金をかけ、顧客ニーズとかけ離れていたこともあった」と、消費者不在を指摘したのはこのOBだけではなかったという。
また、別のOBからは、個性も尊重しすぎると組織に遠心力が働き、「戦略も極端から極端に振れ、組織としての一貫性が損なわれる」。自動車の開発では外部企業の協力が不可欠だが「ホンダは方針がころころ変わり、付き合いづらい」。コスト低減の甘さや低収益と関連付けるOBもいたとも。
コラムでは最後に「辞めホンダだからこそ、客観的な内部要因を語れる面がある。問題の真因に対処しない限り、再び危機に見舞われかねない」と、手厳しく指摘している。
2026年6月8日付
●トレーラーなど、特殊車両指導・告発強化、国交省、重量超過が横行 (読売・1面)
●OPECプラス7月も増産決定、4カ月連続海峡通航再開備え (朝日・3面)
●主張、新たな経営指針、株主還元より成長投資を(産経・2面)
●中国レアアース輸入8割減、日本企業豪印産で代替急ぐ (日経・1面)
●経営の視点、「辞めホンダ」からの伝言、大義の追求、現実と両立を (日経・10面)




