英国の自動車メーカーのニコルズ(Nichols)カーズは、スーパーカー『N1A』の顧客向け生産を開始した。
プロトタイプから量産フェーズへの移行を意味するこの発表は、アナログ操作にこだわった英国製ハイパフォーマンスカーの新たな節目となるという。
Nichols『N1A』
N1A はCan-Amレースカーからインスピレーションを得た設計で、デジタル介入を最小限に抑え、ドライバーとクルマの一体感を最優先に開発された。最終開発フェーズでは、ニコルズのエンジニアリングチームがドライバーへの感覚フィードバックと操作感の向上に集中した。
ニコルズのジョン・ミネットCEOは、実際の顧客使用を想定した最終プロトタイプ検証ドライブを経て、開発を正式に承認した。テストはウェールズ南部を起点に、バナウ・ブリヘイニオグ(ブレコン・ビーコンズ国立公園)の景観豊かな難路を走破し、ペンブリー・サーキットでの高速テストで締めくくられた。このプログラムにより、公道での没入感あるドライビングからサーキットでの限界性能まで、N1A の幅広い能力が実証された。
N1A は、伝説的なF1デザイナー、スティーブ・ニコルズの監修のもと、マクラーレン『M1A』にインスパイアされて開発された。軽量かつアナログなスーパーカーとして、フィール・バランス・メカニカルな正直さを重視し、数十年にわたるモータースポーツの知見を公道向けプラットフォームに凝縮している。
Nichols『N1A』量産仕様の車重は900kg以下で、エンジンは標準の475bhp V8、またはオプションの自然吸気7.0リッターV8(700bhp)を選択できる。最大パワーウェイトレシオは780bhp/tonneに達する。トランスミッションは6速マニュアルを採用し、アナログドライビング体験をさらに高めている。
開発プログラムでは量産車に反映される複数の改良も実施された。ECUキャリブレーションの見直しによる公道・サーキット性能の向上、高速制動時のバランス改善、4ウェイ調整式ダンパーの採用による乗り心地と精度の向上、コーナリング時の予測しやすいバランスを実現するスプリングレートの最適化、低速走行や渋滞時の冷却効率を高めるワイドラジエーターの採用、そして新型リアディフューザーと改良型リアバランスによる空力性能の向上が盛り込まれた。
生産はニコルズ・カーズと新たにパートナーシップを結んだ RML(レイ・マロック・リミテッド)が担う。RML は少量生産の高性能ロードカー・レースカーの製造に豊富な実績を持つ。
Nichols『N1A』N1A の生産台数は最大150台で、価格は税抜き45万ポンドから。初期限定モデル「アイコン88」は15台のみで、税抜き50万ポンドから。アイコン88の各モデルは、スティーブ・ニコルズがチーフデザイナーを務めた1988年F1シーズンにおけるマクラーレン「MP4/4」の15勝のうちの1勝を記念するものだ。カスタマーへの納車は今年後半に開始される予定だ。




