レンジローバーが開発を進める新型『GT』のプロトタイプが、ドイツ・ニュルブルクリンク周辺で再び目撃された。今回のスクープで注目されるのは、プロトタイプだけではない。その傍らにはBMWの新型『iX3』の姿が確認された。
情報によると、iX3は偶然居合わせたのではなく、JLR(ジャガー・ランドローバー)が性能比較のために用意したベンチマーク車だという。さらにアウディ『Q6 e-tron』も比較対象として持ち込まれていたようだ。これらの車種をベンチマークにしているとすれば、レンジローバーがGTで想定している競合モデルが見えてくる。
◆プレミアムSUV市場をねらう
開発中のGTは、従来のレンジローバーとは大きく異なる低いルーフと流麗なボディを持つ。セダンとクロスオーバー、SUVを融合させたようなプロポーションが特徴だ。いっぽう、ベンチマーク車からは、JLRがプレミアムSUV市場への導入を想定していることがうかがえる。
今回撮影されたプロトタイプは、以前目撃された車両と同様、茶色と白を組み合わせた独特のデジタルカモフラージュを装着している。ただし、細部を見ると別の個体だとがわかる。
フロントまわりでは茶色のカモフラージュ部分が増え、ルーフのパターンも変更された。サイドミラーにはカモフラージュが施されていない。また、ホイールも以前の車両とは異なるスポークデザインを採用している。さらに、ホイールには傷も確認できる。ニュルブルクリンク周辺で目撃されていることから、公道走行だけでなく本格的な高速テストが進められているのかもしれない。
レンジローバー GT のプロトタイプ
◆800V電気システムのEVか
パワートレインにも注目だ。プロトタイプにはエキゾーストパイプが見当たらず、まずEVとして市場投入されると想像できる。EV仕様には800V電気システムが採用される可能性があり、新しい「EMA(エレクトリック・モジュラー・アーキテクチャ)」を使用する最初のモデルになると伝えられている。800Vシステムを採用すれば、高出力の急速充電に加え、電力効率や熱マネージメントの面でもメリットが期待できる。新型iX3をベンチマーク車としているとすれば、こうしたEV性能も比較対象になっている可能性がある。
インテリアは今回のスクープ写真では確認できない。これまで公開されたイメージでは、4人乗りのキャビンに大型センターディスプレイとドライバー用デジタルディスプレイを配置。物理スイッチを極力減らしたミニマルなデザインが示されている。
レンジローバー GT のプロトタイプ◆幅広いユーザー層への訴求を狙う
新型GTはEVだけでなく、ハイブリッド仕様も計画されている。低く流麗なボディを採用しながらSUVとしてのキャラクターを残し、複数のパワートレインを用意することで、幅広いユーザー層への訴求を狙うとみられる。BMW iX3やアウディQ6 e-tronを実際にベンチマークしながらニュルブルクリンクで開発を進めているとすれば、新型GTがデザインだけでなく、走行性能やEVとしての性能も重視して開発されていることがうかがえる。
レンジローバーの伝統的な高級SUVとは異なる、新たなカテゴリーを狙うGT。市販モデルがこのプロトタイプの大胆なプロポーションをどこまで残して登場するのか、正式発表が注目される。




