【全文PDFプレカン】メルセデスベンツ、電動トラック市場でシェア38%…IAAトランスポーテーション2026で新型公開

メルセデスベンツ・トラックス(IAAトランスポーテーション2026)
メルセデスベンツ・トラックス(IAAトランスポーテーション2026)全 14 枚

メルセデスベンツ・トラックスは9月14日、ドイツ・ハノーバーで開催された IAAトランスポーテーション2026のプレスカンファレンスで、新型電動トラック『eアクトロス・ローライナー』と、新世代ディーゼルパワートレイン「パワーライナー」シリーズを世界初公開した。電動化とディーゼルの効率向上を同時に進め、長距離輸送など幅広い用途に対応する。

◆ディーゼルの効率も向上

メルセデスベンツ・トラックスのアヒム・プヒャートCEOによると、同社は欧州の中・大型トラック市場で首位に立つほか、トルコとアルゼンチンでも首位、ブラジルでは2位に位置する。インドではバーラトベンツが市場4位で、さらなる成長をめざしている。

今回の発表では、電動化だけでなく、現在も多くの顧客が利用するディーゼルの効率向上も打ち出した。新しいパワーライナーシリーズは、改良した「OM470」または「OM471」エンジンと、トランスミッション、アクスルを統合したドライブトレインを組み合わせる。従来世代と比べ、燃料消費量を最大4%削減するという。2027年4月から『アクトロス』と『アロクス』への採用を予定する。

いっぽう、電動トラックでは、フラッグシップの『eアクトロス600』が実績を積み重ねている。同車は2024年12月の量産開始以来、欧州の顧客による累計走行距離が1億6000万kmを超えた。満載40tで充電なしに500kmを走行できる性能を掲げており、実際の運用ではこれを上回るケースもあるという。

欧州地域を統括するスティナ・ファーガーマン氏は、eアクトロス600について「特に航続に関して本当に素晴らしいフィードバックをいただいている」と説明。欧州の電動トラック市場で、同社が約38%のシェアを持つとしている。

eアクトロス(IAAトランスポーテーション2026)

◆自動車物流向け eアクトロス・ローライナー

IAAで世界初公開したeアクトロス・ローライナーは、大容量輸送を想定した低床仕様の電動トラックだ。特に自動車物流など、荷室容量を確保するため車高のわずかな差が重要になる用途を狙う。

ホイールベースは4mで、バッテリーパック2個を搭載する「eアクトロス400」と、3個搭載の「eアクトロス600」を設定する。通常は横向きに配置するバッテリーを縦向きに搭載することでシャシーを低くし、低いフィフスホイール高を実現。大容量トレーラーとの組み合わせを可能にした。

eアクトロス・ローライナーの航続距離は、満載時で500km。標準でCCS充電に対応し、eアクトロス400、600ともメガワット充電を選択できる。メガワット充電は2027年下半期から提供する予定で、バッテリー残量10%から80%まで30分未満で充電できるとしている。

受注はプレスカンファレンス翌日の9月15日に開始し、生産は2027年第2四半期からドイツのヴェルト工場で始める予定だ。

eアクトロス(IAAトランスポーテーション2026)

◆交差交通や側方の安全支援も強化

安全技術では、新たに「アクティブ・クロス・トラフィック・アシスト」と「アクティブ・サイドガード・アシスト3」を発表した。

アクティブ・クロス・トラフィック・アシストは、高速で接近する車両や二輪車を検知し、必要に応じて緊急停止まで制動できる。アクティブ・サイドガード・アシストは車両の両側を支援し、旋回時には複数車線にわたる対向車を検知。ドライバーが反応しない場合にはシステムが介入する。いずれも2027年4月の提供開始を予定する。

サービス面では、欧州に1400か所以上のワークショップ拠点を展開するほか、ドイツ・ハルバーシュタットのグローバルパーツセンターから世界170以上の市場へのスペアパーツ供給を管理する。デジタル管理プラットフォーム「フリートボード」では、従来の12ソリューションを5つのパッケージに統合。車両追跡や充電管理、コンプライアンス、予防的診断などに対応する。

◆水素トラックは100台を顧客運用へ

メルセデスベンツ・トラックスは、バッテリー電気だけでなく水素による脱炭素化も進める。燃料電池大型トラック『GenH2トラック』は、2024年夏に顧客試験を開始して以来、累計60万km以上を走行した。

次世代GenH2トラックはIAAトランスポーテーション2026で一般公開した。2026年末以降、100台の小規模シリーズを実際の顧客運用に投入する計画で、最初の顧客には物流大手ダクサーが決まっている。

プヒャートCEOは、バッテリー電気トラックはすでに実用段階にあるいっぽう、CO2フリー輸送を拡大するには充電インフラの拡充とコストパリティの実現が必要だと指摘。欧州のCO2目標達成に向け、業界、インフラ事業者、政策立案者による連携を求めた。

また、トラック誕生130周年を記念した特別仕様車「130イヤーズ・トラックス・エディション」も発表した。ディーゼルと電動の両方を用意し、400台限定で販売する。

メルセデスベンツ・トラックス(IAAトランスポーテーション2026)

【全文PDFプレカン】Mercedes-Benz Trucks Press Conference at IAA Transportation 2026

以下の全文PDFは、記者会見やイベント講演の取材音声をもとに文字起こしを行い、編集者が確認と修正を入れたドキュメントです。

●登壇者
Achim Puchert(CEO, Mercedes-Benz Trucks)
Stina Fagerman(President Mercedes-Benz Trucks Customer Region Europe)
Tilman Morlok(Project Leader Mercedes-Benz eActros)
Tobias Wagner(Elektrotrucker)

●目次
オープニング:Mercedes-Benz Trucksの世界的存在感と市場ポジション 1:35 p.4
ディーゼル技術の進化:新型PowerLinerシリーズのワールドプレミア 3:34 p.5
電動トラックポートフォリオの拡充:eActros 600の実績 4:48 p.6
Stina Fagerman登壇:eトラックファミリーの最新モデル紹介 6:12 p.6
新型eActros Lowlinerのワールドプレミア 7:28 p.7
安全技術の強化:Active Cross Traffic AssistとActive Sideguard Assist 9:44 p.8
サービスエコシステム:稼働率向上を支えるネットワークとデジタル管理 10:32 p.9
eMobilityとTruck Chargeによる充電インフラ支援 12:40 p.10
脱炭素化への道:水素トラックGenH2 Truckの進捗と今後の展開 13:01 p.10
特別ゲスト:Electro Trucker Tobias Wagnerによる電動トラック世界一周プロジェクト 14:33 p.11
トラッキング130周年記念:限定モデル「Legacy meets progress」 18:14 p.11
クロージング:顧客・同僚への感謝とIAAへの招待 18:44 p.11

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《高木啓》

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