アイシンは、11月18~20日にパシフィコ横浜で開催される「EdgeTech+ 2026」内の専門イベント「オートモーティブソフトウエアエキスポ」で、基調講演を行なう。
11月19日に「E/Eアーキテクチャの進化に対するアイシンの対応とソフトウェア開発の次なる課題」をテーマに、SDV時代の車載ソフトウェア開発について解説する。講演には、アイシンの基盤ソフトウェア技術部プロジェクトゼネラルマネージャー、中根光徳氏が登壇する。時間は16時05分から16時50分まで。
●異なるE/Eアーキテクチャへの対応をめざす
SDV(ソフトウェア定義車両)の普及に伴い、自動車のE/E(電気・電子)アーキテクチャは大きく変化している。E/Eアーキテクチャとは、自動車に搭載するECU(電子制御ユニット)やセンサー、通信ネットワークなどの構成を指す。
従来の自動車では、エンジン、変速機、車体などの機能ごとに専用ECUを配置する構造が一般的だった。これに対し、複数の機能を統合ECUで制御する構造や、中央の高性能コンピューターに制御機能を集約する構造への移行が進んでいる。
ただしアイシンによると、こうした変化は一斉に進むわけではないという。自動車メーカー、車格、販売地域によって採用する構造や移行時期が異なるため、複数のE/Eアーキテクチャが長期にわたって併存すると考えられる。
機械部品と電子制御を組み合わせた機電一体製品を世界各地に供給するアイシンは、将来のE/Eアーキテクチャを一つに限定せず、異なる構造に適応できるソフトウェアの開発をめざしてきた。
●制御機能とハードウェアの依存部分を分離
異なるE/Eアーキテクチャへの対応では、ソフトウェアの共通化と再利用が重要になる。
例えば、同じ制御機能でも、従来型の車両では専用ECUで実行し、次世代車両では統合ECUで実行する場合がある。このとき、制御機能と、それを動かすOSや通信環境などへの依存部分を分離できれば、車両の構成が変わってもソフトウェアを再利用しやすくなる。
アイシングループのアイシン・ソフトウェアは、こうした開発を支える車載プラットフォーム技術に取り組んでいる。
具体的には、CAN、Ethernet、LINなどの車載ネットワーク、各種OSやミドルウェアへの対応、高性能半導体であるSoC上のプラットフォーム構築などを進めている。車載ソフトウェアの遠隔更新(OTA)やセキュリティ技術も開発対象だ。
これらは、異なるハードウェアや通信環境に対応しながら、車載ソフトウェアの共通化を進めるための技術基盤となる。ただし、車両の構成が異なれば、通信速度や制御周期、安全性の要件なども変わる。共通化だけでなく、それぞれの環境で品質を確保することも必要だ。
●SDVの価値創出サイクルを実際に回す
今回の講演では、異なるE/Eアーキテクチャへの対応に加え、SDVの価値創出サイクルを実際に回せる開発体制も取り上げる。
SDVでは、車両の販売後もソフトウェアを更新し、機能や性能を継続的に改善することが重視される。そのためには、ソフトウェアを開発するだけでなく、検証、実装、更新を繰り返す仕組みが必要になる。
アイシンは講演で、これまでの取り組みと今後の開発課題を紹介し、品質と開発速度を両立するソフトウェアアーキテクチャと開発基盤のあり方を考察する。
講演者の中根氏は、トランスミッション制御ECUを中心に車載組込みソフトウェア開発に長年従事してきた。現在はパワートレイン系やボデー系など、複数の領域にまたがる制御ECUのソフトウェアプラットフォームとアーキテクチャの開発を技術面から推進している。
●EdgeTech+ 2026は11月18~20日開催
オートモーティブソフトウエアエキスポは、SDV時代に向けた自動車開発とソフトウェア技術を取り上げる専門イベントだ。自動車産業のソフトウェア開発に関する技術や業界動向を紹介する。基調講演の一つとして、アイシンがE/Eアーキテクチャの進化と車載ソフトウェア開発の課題を解説する。
EdgeTech+ 2026は、一般社団法人組込みシステム技術協会(JASA)が主催する、組込み・エッジ技術の総合展示会だ。会期は11月18~20日、会場はパシフィコ横浜の展示ホールとアネックスホール。300社以上が出展する予定で、入場はオンライン事前登録制で無料となっている。




