ヤマハ発動機の電動トライアルバイク「TY-E 3.0」が、全日本選手権史上初となる連覇を果たした。
【画像】ヤマハの電動トライアルバイク「TY-E 3.0」と氏川選手
10月25日、和歌山県の湯浅トライアルパークで「全日本トライアル選手権 第7戦 和歌山・湯浅大会」が開催。ヤマハ発動機の電動トライアルバイク「TY-E 3.0」と「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の氏川政哉選手が国内最高峰クラスのIAスーパー(IAS)で7位を獲得した。
この結果、氏川選手はIASで初のチャンピオンを獲得し、「TY-E 3.0」は2025年の黒山健一選手とのチャンピオン獲得とあわせ、全日本選手権史上初となる電動トライアルバイクによる連覇を達成した。
◆「黒山選手不在の中、氏川選手とチームが踏ん張った」
全日本選手権史上初となる連覇を果たしたヤマハ発動機の電動トライアルバイク「TY-E 3.0」と氏川選手
トライアル競技は、速さやタイムを競うのではなく、足を地面につけることなく岩場や急斜面のコースを走り、跳びながらクリアする競技。エンジンを搭載するトライアルバイクが主流だが、ヤマハは2018年より電動化されたトライアルバイク「TY-E」シリーズで全日本トライアル選手権への参戦を続けている。
今シーズンは、黒山選手がシーズン前に負傷したため氏川選手のみが参戦する体制となった。しかし氏川選手はシーズン序盤から「TY-E 3.0」のポテンシャルを引き出し、2連勝でポイントリーダーに立った。その後2戦は連続2位となったが、サマーブレイク明けの第5戦広島・三次灰塚大会では後半の降雨による減点増加を乗り越えて今季3勝目を挙げた。続く宮城・SUGO大会では3位と6戦連続で表彰台に立ち、ランキング2位に36ポイント差をつけて首位をキープした。
第7戦では競技中にレベル4土砂災害危険警報が発令され、1ラップ目の途中で競技が打ち切りに。国内競技規則(第3章競技会36項)に則りレースは成立し、氏川選手は7位を記録。IASではハーフポイントが加算され、ランキング2位との差が32.5ポイントとなったことで、2018年にIASへステップアップして以来初のチャンピオン獲得が確定した。
これにより、「TY-E 3.0」の通算勝利数は2024年に2勝、2025年に6勝、2026年に3勝の計11勝となった。
全日本選手権史上初となる連覇を果たしたヤマハ発動機の電動トライアルバイク「TY-E 3.0」と氏川選手氏川選手はチャンピオン獲得について、「チャンピオンを意識しすぎると自分のペースを崩してしまうので、これまで練習してきたことをしっかり発揮し、いつも通り成績にこだわって臨みました。大雨で走行ラインが見えにくく序盤から減点が続き、メンタルも含め難しいレースでした。チームが一丸となって支えてくれたおかげで戦うことができました」と語った。
佐藤美之監督は、「黒山選手が不在の中、氏川選手とチームが踏ん張り、2年連続でタイトルを獲得できたことは素直にうれしい。電動トライアルバイクでの連覇は史上初のことで、当社のトライアル活動において大きな成果だ。エンジンではできなかった新たな領域での活動も着実に広がった」とコメントしている。
チームは11月29日に京都府の平安神宮前・岡崎公園で開催される最終戦「第8戦 City Trial Japan大会」でも勝利を目指す。
◆電動トライアルバイク「TY-E」の歩み
全日本選手権史上初となる連覇を果たしたヤマハ発動機の電動トライアルバイク「TY-E 3.0」と氏川選手「TY-E」は2018年、EV開発の課題である「コンポーネントの高出力小型軽量化」と「意のままに操れる運転のしやすさ」の克服を目指した研究開発の中で誕生した。同年、黒山選手とトライアル世界選手権TRIAL Eクラスに参戦し、開幕戦で優勝、ランキング2位を獲得した。
2022年には「環境計画2050」のもとカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環として開発を再開。「TY-E 2.0」にアップデートし世界選手権Trial 2にスポット参戦した。2023年からは「TY-E 2.1」と黒山選手のコンビでIASにフル参戦を開始し、2025年に全日本チャンピオン獲得を目標に掲げた。
2024年には氏川選手・黒山選手・野崎史高選手の3台体制となり、氏川選手が第3戦もてぎ大会で初優勝を果たすなどエンジン車に迫る活躍を見せた。2025年には最新型「TY-E 3.0」を投入し、黒山選手が4勝を挙げて電動バイクによる国内最高峰クラス初のチャンピオンを獲得。そして2026年、氏川選手が連覇を達成した。




