ダイムラークライスラーがミニバンの王者から転落?

自動車 ビジネス 企業動向

ダイムラー社との合併により、それまでミニバンを発明したメーカーとして独走体制をとっていたクライスラーに変化が現れている。今年発売の新型モデルのシェアでは、ホンダ『オデッセイ』に抜かれるのではないか、と噂が立つ程、DCのミニバン戦略は遅れを取りはじめている。そしてついに、今年度モデルのミニバンは五つ星の最高安全レベルさえ維持できないのではないか、という推測さえ生まれているのだ。

ウォールストリートジャーナル紙によると、DCのマーケティング部重役ジョン・マクドナルド氏自らがディーラーに対し、「今年のミニバンはNHTSAのクラッシュテストで最高の評価を得られないかも知れない」と話したという。

ミニバンの購入層にとって、安全テストの結果は大きな購買理由のひとつ。現にライバルであるフォードはここ数年『ウィンドスター』の広告に「五つ星の安全性」というのを強調している。

クライスラーは1983年にミニバンをマーケットに投入して以来、常にシェアの40%以上を誇ってきた。クライスラー社の生産台数のうち20%がミニバンだ。それが五つ星の安全性を失い、シェアも急落する危機にあるというのだから事は深刻。

DCではNHTSAに対し、新型モデルのクラッシュテストを今年後半まで行わないよう要請した、とも言われているが、DCではこうしたコメントを否定。そもそもデトロイトオートショーの段階で完成モデルとして発表されたクルマを今から発売開始までにチェックしなおす、というのも考えられない作業だ。

ことの真相は謎のままだが、DCがミニバンからダイムラーの技術力を中心としたハイエンドモデルにシフトする可能性は十分にあり、今年以降のミニバン地図に大きな変動が予想されることは十分にありえる。

《Sachiko Hijikata, US editor》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る