【トリノショー直前特集】世界のカリスマデザイナーたち(その2)クリス・バングル/BMW

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歴史的名車のイメージや意匠をアレンジし、現代によみがえらせるニューレトロと呼ばれるカースタイリングの傾向が近年多くみられる。これは自動車業界の再編が続くなか、各社がブランドのアイデンティティを強化し、アピールするためのデザイン戦略のひとつになっている。

オペル、フィアット、そしてBMW。一見すると、それぞれのメーカーに関連性は見いだしにくいが、クリス・バングルというデザイナーをとおして見ると、それはひとつにつながってくる。

オペルでインテリアを担当していたバングルの名を一躍世に広めたのは、フィアッ ト移籍後に手がけたバルケッタ(写真)とクーペ。かつてフィアットが得意としていた小型スポーツカーを"バルケッタ"というネーミングとともに復活させ、またフィアットクー ペでは大胆で斬新なイタリアンデザインを採用し、クーペの魅力をリ・デザインし た。

BMWの最新スポーツカー、Z8ではこうした手法をさらに発展、進化させている。フロントフェンダーからリアセクションに流れるボリューム感のあるラインやサイドのエアアウトレットは、55年にデビューした507を継承している。しかし、エモーショナルなデザインは、ニューレトロという言葉ではおさまらない。そこには「自動車は使うためのもの、クルマはあなたが何であるかを問うもの」というバングル独自の理念がうかがえる。

● クリス・バングル
1956年アメリカ生まれ。81年オペルAGデザイン・スタジオ勤務後、85年フィアットに移籍。エクステリア・スタジオ部長、デザイン部門ディレクターを務め、92年にBMWAG開発部門デザイン部長デザインディレクターになる。

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