【F1日本GP 詳報】吉か凶か---「フェラーリの勝利」がもたらす利益

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【F1日本GP 詳報】吉か凶か---「フェラーリの勝利」がもたらす利益
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21年ぶりにフェラーリドライバーとしてワールドチャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハ。イタリア国内の熱狂ぶりはオリンピック以上だが、果たしてF1界にとって今回の勝利は吉となるか、それとも凶となるかを検証してみたい。

まず、F1の本場ヨーロッパでは、ほとんど100%の割合で吉と考えていいだろう。イタリアでは1982年のワールドカップ優勝以来の国家的祝典も検討中らしく、テレビ、ラジオ、新聞、そして雑誌にいたるまでフェラーリ一色に染まっている。さらにマレーシアGPでコンストラクターズタイトルを獲得した場合、多くの出版社からフェラーリの歴史本やダブルタイトル獲得のムック本発売が予定されているという。他のヨーロッパ諸国でも、21年ぶりのフェラーリチャンピオンだけに各雑誌や新聞での特集がすでに決定済みで、一般紙やファッション誌などでもフェラーリに関する特集が組まれそうだ。

次に興行的には大成功と言われたアメリカはどうか? 基本的にF1の認知度が極端に低いアメリカだけに、特別な特集などは予定されていないという。しかし、フェラーリを関連化した特集などはそれなりに売れると関係者は見ており、アメリカでも唯一有名なF1チームであるフェラーリが優勝したことには価値がある。南米に関しては、元々ルーベンス・バリケロがフェラーリドライバーになったことで、ブラジルではすでにフェラーリ人気が爆発しているが、気の早いブラジルファンの間では「次のフェラーリ・チャンピオンはバリケロ」という機運も高まっており、さらなる人気爆発は間違いなさそうだ。

そして最後に残ったのは日本とアジア、そして太平洋諸国。アジアではフェラーリはブランド化されているのでマレーシアを含めたアジア圏ではF1のさらなる認知に繋がると見られている。ただ、マレーシアGP主催者は最終戦が消化レース(実際はコンストラクターズタイトルが残っている)となってしまったことに関して「フェラーリが勝ったことはF1人気を呼ぶだろうが、できればマレーシアまで絡んで欲しかった……」と微妙な発言をしている。オーストラリアもフェラーリが優勝したことで来年のさらなる成功が約束されたとして歓迎ムード。そして日本はどうか?

日本ではフェラーリのムック本の販売は微妙だがありそう。ただし、今年はオリンピックなどがあったことで、注目度に関してはレース内容ほど評価されない可能性がある。今年の日本GPの観戦チケットは3連休ということもあり販売もなんとか横ばい以上を維持したようだ。だが、トップ争いができる日本人ドライバーが出てこない限り、フェラーリ人気だけでは厳しいと言わざるを得ないだろう。

ちなみに、インターネット上でF1チケットを販売しているオフィシャルサイトでは、来年のパドックパスがほとんど完売になりつつあり、通常のチケットもサンマリノGPなどはすでにIT取り扱い分に関しては完売が近いようだ。

どうやら、ミハエル・シューマッハによるフェラーリの21年ぶりの優勝は、日本を除いては大吉と言えるだろう。早く日本にも第二次F1ブームが訪れて欲しいものだが……。来年には、F1グランプリも21世紀に突入するわけだが、例えば日本人がフェラーリF1に実力で乗るような時代は果たしてやって来るのだろうか? やって来るとして、あとわれわれは何十年待てばいいのだろう……?

《編集部》

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