1996年2月に発生し、20人が死亡した北海道の豊浜トンネル岩盤崩落事故で、いったんは不起訴とされながら、検察審査会によって「不起訴は不当」と判断された北海道開発局小樽道路事務所の元所長ら2人に対して、再び不起訴の処分が決定された。
検察は「再捜査もして、証拠も再検討したが、2人が岩盤崩落を事前に予見することは不可能であり、事故の回避も不可能だった」と結論付け、嫌疑不十分による不起訴処分を決定した。
この事故に関しては、20人が死亡した事故の以前にも頻繁に小規模な岩盤崩落は発生しており、それをして「予見は可能だった」とする遺族側と、「大規模な崩落は突然のことであり、予見はできなかった」とする開発局側で意見が対立していた。
この事故に関しては、10日の24時をもって時効が成立するため、今後の刑事訴求は事実上不可能となる。開発局の過失責任を追及する遺族の訴えの場は、札幌地裁で係争中の国家賠償請求訴訟だけになった。