【新聞ウォッチ】ゴーン流春闘に日産労組はびっくり仰天
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2001年3月8日付
●日産ボーナス、回答前に「満額」、ゴーン流決断に組合驚き (産経・1面、関連記事10面)
●日本企業に中国人「憤」、日航、三菱自工、松下、いろいろ続いて(朝日・2面)
●三菱自工経営側、春闘で「実質賃下げ」の提案(朝日・2面)
●ホンダは賃上げ交渉大詰め(朝日・11面)
●同和鉱業、廃車破砕くず処理参入へ(朝日・12面)
●欧州自動車事情、ディーゼル改良、小型化など環境対策の柱に (朝日・13面)
●21世紀日本企業・技術編「ITS」カーナビ用電子地図94(読売・11面)
●太宰府市、観光用有料駐車の利用税検討 (日経・38面)
ひとくちコメント
日産自動車のカルロス・ゴーン社長が、春闘にも従来の日本型企業にはみられない型破りの労使交渉を展開した。賃上げ交渉で、労働組合が要求する一時金(ボーナス)5.2カ月分を満額回答。しかも、14日の回答予定日よりも一週間も前倒しての満額回答だったからである。
きようの朝刊各紙が「満額回答」という目立つ見出しで取り上げているが、特に産経は一面準トップ扱い。経済面にも「ゴーン流、アメとムチ」というタイトルで解説記事を載せている。リストラという「ムチ」に対し、満額回答という「アメ」をしゃぶらせた格好だが、まさに、労使は「馬」と「人参」の関係である。その辺の心理を見抜いて上手に操るゴーン社長に日産労組も脱帽せざるを得ない。
そこで、何かと日産と比較されがちなのが三菱自動車。その三菱は、組合要求に対し、経営側が実質「賃下げ」となる定昇割れの提案をしたことが明らかになった、と朝日が報じている。きょうの紙面を比べて読者が抱くイメージは、今さら改めて説明するまでもないだろう。
《福田俊之》