「治療できない」交通事故の救急医療で子供が助からない?!

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救急車の車内で医療処置を行い、生存確率をアップさせるという重要な役割を果たすのが「救急救命士」だが、小児救急体制についてアンケートを取ったところ、590人の回答者の中の約20%に当たる80人が「子供の重症患者への救命処置は経験なく、自信がない」と答えていることが厚生労働省の調査で明らかになった。

これは厚生労働省が行ったアンケート調査によるもの。同省の医療研究班メンバーでもある医師が、業務中に救急救命士から「小さい子供への処置方法がわからない」という相談を受けたことから実態調査の実施を決め、1998年3月に経験1年以上の救命士590人を対象にアンケート調査を実施している。

その結果として、事故や病気で心肺停止状態になった15歳以下の患者を搬送した経験のある救急救命士は374人で、うち80人が「小児の心肺停止患者を扱った経験が少なく、処置に対する自信がない」と答えており、それを反映するかのように子供の患者に器具を使って気道確保の処置をした経験のある救急救命士は374人中、わずか49人(全体の13%)しかいなかった。

また、138人は「小児患者の搬送先を探すことに困ることが多い」と回答しており、交通事故などによる外傷で必要とされる外科や脳外科などで「小児を受け入れる救急病院が無いのは問題である」との回答も寄せられている。

研究班は「救急救命士の教育カリキュラムを見直し、充分に小児救急のトレーニングを積めるようにすべきだ」と提言しているが、現行の救急救命士の養成カリキュラム835時間中、「小児・新生児疾患」は25時間しかないのが実情だ。 

《石田真一》

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