『ヴェロッサ』は実質的に、これまでの『クレスタ』の後継車種として、ビスタ店のフラッグシップとして販売されるクルマである。それにしてもなぜ、『クレスタ』の名を捨て、キャラクターも異なるクルマとして生まれ変わる必要があったのだろうか?
「今回『マークII』3兄弟のモデルチェンジをするにあたって、私も含めた初期の企画メンバーは全員、『いままでのような兄弟車はもう作りたくない』という考えで一致したんです。『マークII』以外は、それぞれ個性の異なったクルマにしたいし、発売する時期もずらしたい、と考えたんです」
そう語るのは、チーフエンジニアの大橋宏氏。大橋氏は『マークII』のチーフエンジニアも努めている。
「また、開発を始めた3年前は、セダン市場が低迷していた時期でもあり、それゆえに、今までと同じようなクルマを出しても仕方がない、もっと差別化された、違うコンセプトを持ったセダンを作らなければならない、という意識もありました」