チャイルドシート……着実に幼児死亡率を減らすアメリカ、日本はまだダメ?

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NHTSA(アメリカ運輸省・道路交通安全局)は29日、過去5年間のエアバッグ作動による幼児死亡事故の件数をまとめ、これを明らかにした。体重の軽い子供が座るとエアバッグ動作がキャンセルされるスマートエアバッグシステムの採用や、後席に座らせるなどの保護者の配慮もあり、死亡事故件数は過去最悪となった1998年当時の1/4程度となった。

発表によると、1996年当時には衝突事故などによって前席エアバッグが動作したことで、26人の幼児が内臓破裂などで命を落とした。この際にはエアバッグとの死亡の因果関係は定かにされていなかったが、エアバッグの標準装着が増えた1998年になると34人の子供が犠牲になっている。作動したエアバッグが新生児の頭を吹き飛ばしたという痛ましい事故もあり、この頃からエアバッグ動作が幼児の死亡に直結する危険性があることが指摘され始めた。

この後、メーカー各社も体重が軽い幼児が座ると助手席エアバッグ動作を自動的にキャンセルしたり、膨張速度を弱めるという「スマートエアバッグ」を設定。また、「子供は後席に設置したチャイルドシートに座らせることが命を救う第一歩」とした啓蒙活動が効果を発揮し、現在では4歳以下の幼児を助手席に座らせないということは、全米のドライバーの常識になりつつある。

アメリカは具体的な対策、情報の周知徹底で着実に幼児の死亡者を減らしているが、日本ではチャイルドシートの普及でさえままならない状況にある。クルマに乗った子供の命はドライバーが率先して守るということにもっと注目してほしい。

《石田真一》

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