警察庁は31日、昨年1年間に道路交通法違反容疑の総摘発数が116万3598件であったことを明らかにした。警察不祥事の増加によって取り締まりに一般市民の批判が集中し、結果的に摘発数が激減した2000年度実績より、さらに0.7%(約7万5000件)も減少したという。
摘発された違反で最も多かったのは、駐車禁止違反で約8万1000件で相変わらずのトップを維持。続いて一時停止違反の約3万5000件、酒気帯び運転の約3万3000件、速度違反(15km/h以上、20km/h未満)の約1万1000件と続く。このあたり、例年のランキングと変わらない。
全体の摘発数が減る中で、逆に摘発数が増えたのは信号無視や30km/h以上の速度違反。だが、これらは違反数が増加したのではなく、警察が死亡事故に直結する違反の取締りを重点的に強化したためとみられる。
ランキングも順位も例年と変わることがないが、摘発数は急落している。これについて警察庁は「全体の違反数は増えているかもしれないが、制服警察官の人員不足が影響したために摘発数が減少したと考える」と説明している。刑法犯罪の摘発数も減少の一途をたどっているが、本当に警察官の人員が足りないためなのだろうか。