「基本は実刑」が揺らぐ? 危険運転罪初の猶予判決

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焼酎などを飲み、酩酊状態にも関わらずクルマを運転し、衝突事故を起こして危険運転致傷罪に問われていた29歳の男に対し、高松地裁は15日、懲役1年(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡した。執行猶予付きの判決となったのは、危険運転罪の裁判として初めて。

この事故は昨年12月29日未明に発生した。香川県観音寺市の国道11号交差点で、29歳会社員の運転する乗用車が左折した際、対向車線側で信号待ちをしていたクルマに衝突。運転していた女性が軽傷を負った。

当時、この男は忘年会帰りで、焼酎などを大量に飲んだ泥酔状態だった。警察の調べでは、ビール中ジョッキ2杯、酎ハイ中ジョッキ2杯、ウイスキーの水割り10杯を飲んでおり、検挙当時はまっすぐ立っていられない状態だったという。

15日の判決で高松地裁の高梨雅夫裁判官は、「泥酔状態にあり、正常なハンドル操作ができないと認識しながらも運転を続けた被告の責任は重い。しかし、被害者との間で示談が成立している点は評価に値する」として、懲役1年の求刑に対して、懲役1年(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡した。

泥酔状態における危険運転罪の裁判はこれが初めてだったが、反省している点が評価されて執行猶予付き判決が下されたのも初めて。

危険運転罪については「基本が実刑」と言われており、それによって反省を促すというものだったが、公判中に反省していることを示せば執行猶予付きになるという前例を作ってしまった。

《石田真一》

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