大阪府警は13日、交通トラブルを原因とするケンカで2人を死傷させ、現場から逃走していた暴力団組員を逮捕し、共犯の男を全国に指名手配したことを明らかにした。
この事件は今年4月28日の午前3時35分ごろ、大阪府堺市内の国道43号線の高架橋上で起きた。34歳の会社員が運転するクルマが、前方をゆっくりと走っていた軽自動車に対して道を譲るようにクラクションを鳴らしたところ、このクルマが路上に急停止。軽自動車に乗っていた暴力団員風の男と、クラクションを鳴らした後続のクルマのドライバーとの間で口論になった。
そのうち殴り合いのケンカに発展したが、暴力団員風の男はナイフを取り出して相手の胸を刺し、止めようとしたもう一人の男性を仲間が鈍器のようなもので殴りつけ、そのまま逃走した。ナイフで刺された男性は出血性ショックなどが原因となって収容先の病院で死亡し、鈍器で殴られた男性も頭に大けがを負った。
現場が高架橋の上だったことから、大阪府警では事件当初から交通トラブルが原因とみて捜査を続けてきたが、現場付近の路上に食べかけのソフトクリームが投げ捨てられていることを発見。ソフトクリームのコーン部分の包装紙から販売したコンビニエンスストアを特定し、防犯カメラの撮影した映像を調べたところ、事件が起きる10分ほど前に暴力団員風の男がソフトクリームを購入していたことが明らかになった。
後の調べでこの映像に映っていたのが貝塚市に住む54歳の暴力団組員とわかり、任意同行を求めて取調べを行ったところ、男性を刺した上で携帯電話などが入ったバッグを奪っていたことを自供したため、殺人と傷害、窃盗の容疑で13日に逮捕した。また、共犯の男が34歳の暴力団組員であることも判明したため、この男を全国に指名手配した。