神戸市東灘区内で12日、交通トラブルを起こして現場から逃亡しようとしていた暴力団員が、通りがかったクルマの女性ドライバーを脅し、このクルマに強引に乗り込むという事件が起きていたが、兵庫県警は14日、この女性と逃走していた男が実は知り合いであり、女性が無事であるとの通報が入っていたことを明らかにした。
この事件は12日の夕方、神戸市東灘区内の国道43号線で発生した。近くの交差点で追突事故を起こして逃走していた暴力団員風の男が、たまたま現場付近を通りがかったクルマの女性ドライバーに拳銃を突きつけるなどして脅し、強引にそのクルマに乗って逃走した疑いが持たれている。男がクルマを止めた際、「パンッ!」というような銃声がしたとの証言もあり、警察で捜査した結果、クルマが止められた位置から近いところで拳銃の弾を1発回収している。
警察では銃刀法違反と、女性ドライバーを拉致した容疑でこの男の行方を追っていたが、13日夜になってこの女性の知人を名乗る男性から「拉致ではない」という電話が警察に寄せられていたことがわかった。事件があった際、男性もこのクルマに同乗しており、「走ってきた男性が知り合いで、ぜひにと頼まれたために乗せた。数分後にクルマを降りてからどこに行ったかは知らない」と答え、女性も無事だと話していたという。
ただ、この電話が本当に事件に関係したクルマの同乗者なのかはわかっておらず、警察では慎重な裏付け捜査を進めていくとしている。