兵庫県警は15日、3月に発生した交通トラブルを発端とする殺人事件で、警察の初動捜査体制に問題があったことを改めて認めるとともに、捜査を担当した神戸西警察署の署長など10人について戒告など懲戒処分を行うことを明らかにした。
この事件は今年3月4日未明、神戸市西区の路上で、駐車車両を巡って大学院生と山口組系の暴力団員との間でトラブルとなり、暴力団組長の命令によって組員数名がこの大学院生を拉致し、殴る蹴るなどの暴力を加えて殺害したというもの。
兵庫県警は大学院生からの110番通報を受けて現場に出動していたものの、必要とされる初動捜査をほとんど行わず、出頭した暴力団組員も帰宅させるなどの不手際を連続させた。初動捜査がきちんと行われ、広域手配を行っていれば大学院生は殺害されなかった可能性が高く、県警の捜査体制が問われていた。
結果として神戸西警察署の8名と、広域捜査の手配を怠った通信指令センター勤務の2名が、所属長や本部長からの訓戒、戒告、減給などの懲戒処分を受けることになった。