暴走族メンバーの示威行為で大けが---「殺意なし」という異例の判断

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暴走行為を注意した男性に腹を立て、この男性をクルマでひくなどして重傷を負わせ、殺人未遂罪に問われていた20歳の暴走族メンバーに対し、大阪地裁は20日、「殺意はなく、偶発的に起きた事故」と認定し、傷害罪などを適用とする判決を言い渡した。

この事件は昨年7月21日未明、大阪府門真市内の国道163号線で、20人ほどの仲間と暴走行為を行っていた男に対し、現場を通りがかった39歳の男性が「うるさい」と注意した。男はこの注意に腹を立て、仲間と一緒にこの男性を脅かそうと、クルマを急発進させ、直前で急停止させる行為を何度か繰り返したところ、仲間のクルマが誤ってこの男性をはね、全治2カ月の大けがを負わせてしまった。大阪府警は「殺意があった」として、この男を殺人未遂容疑で逮捕していた。

20日の判決公判で大阪地裁の横田信之裁判長は「被告は運送業者と直接の口論を繰り広げたわけでなく、仲間のクルマに対して“あのオヤジを脅かしてやれ”と教唆したにすぎず、そこに殺意があったとは思えない」と認定、さらに「仲間と共謀してクルマの急発進、急停止を繰り返した事実はあるが、事故は殺意を感じたというより、偶発的に発生してしまったと考えるほうが適切」として、殺人未遂罪による懲役7年の求刑に対し、罪状を暴行、傷害罪などに切り替え、懲役1年8カ月の実刑判決を言い渡した。

暴走族メンバーによる一般人への示威活動の際に起きた事故で、罪状が低減される例はこれまでになく、極めて珍しいものだ。

《石田真一》

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