高速料金所であわや銃撃戦---「射撃も許可する」適切な判断か

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栃木県警は23日、前日に発生した警察官監禁事件について、「犯人は凶悪につき、早期解決のためには狙撃やむなし」という判断を事前に行っていたことを明らかにした。犯人逮捕の際にクルマを取り囲んだ捜査員15人は全員射撃体勢だったという。発砲を前提とした出動はこれまでに前例がなく、この判断は今後の議論を呼びそうだ。

県警では20日に群馬で起きた事件発生の一報以後、犯人が栃木県内に逃げ込んでいる可能性が高いとして、県下に緊急配備を行っていた。拉致された19歳女性が22日朝になり、鹿沼市で保護されたことから、「犯人が県内にいる可能性はさらに高くなった」として警戒を強めていた。

厳戒態勢が続く同日午後、県警通信指令センターに真岡署地域課員の妻を名乗る女性から「夫とともに監禁されている」という一報が入った。現職警察官を拉致・監禁するという警察にとって最悪の事態に対し、県警が下した判断は「銃撃戦となることを念頭におき、現場警察官は全員拳銃所持。発砲に予告の必要なく、犯人狙撃も止むなし。現場から絶対に逃走させるな」という最上級のものだった。

警察官の銃使用の条件や手順を定めた「拳銃取扱規範」では、犯人が銃火器を持っている場合の人質立てこもり事件の場合、人質や捜査員に危険が及ぶと判断された場合には予告なく発砲できると定められているが、これまでは現場の状況に左右されていた。しかし、今回は詳細な状況を把握しないまま、射撃前提の突入を指示したというわけだ。

幸い、1発の銃弾も使わずに犯人逮捕に成功しているが、他のクルマも通行する料金所内で銃撃戦になっていたとしたら、無関係な人たちに被害が及んでいたことも考えられる。このあたりの判断は今後の議論となるだろう。

《石田真一》

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