パイオニアがついに通信インフラを利用した本格的ダウンロード型カーナビの発売に動き出した。8月6日の発表ではこのタイプのナビの発売を「2002年中」としており、これによりパイオニアのナビは、これまでの『HDDサイバーナビ』『DVD楽ナビ』と合わせ、3つの柱による展開となる。
その特徴は、KDDIが初めて外販を行うことになった第3世代携帯電話の通信モジュールを内蔵したことで、地図情報などのデータをサーバーに蓄積することで最新情報を必要な時にダウンロードできることにある。そのため、従来のデータ記憶媒体であるCD-ROMやDVD-ROMを使わずにカーナビとしての機能が利用可能となり、常に最新のデータを利用したカーナビが楽しめるようになるのだ。しかもこの通信モジュールは、KDDIがすでに4月からサービスを開始している『CDMA20001x』に対応しており、最高144kbpsという高速データ通信によるダウンロードを実現している大きなポイントも持つ。
ところで、このタイプのカーナビの発想は決して新しいものではない。既に日産自動車は『カーウイングス』でPDCを利用してのダウンロード型カーナビを『マーチ』や『エルグランド』に搭載できるようにしたし、それ以前にはデンソーが『MUIT(ミュー)』と呼ばれるHDDを内蔵したダウンロード型ナビを発売したこともある。しかし、いずれも9.6kbpsでしかない通信速度がネックとなっていたのは事実。そのため日産自動車は来年にもドコモのFOMAを利用した第二世代のカーウイングスの開発に乗り出している最中でもある。今回の発表はそうした状況の中で一歩先を行く形での発表となったのだ。
そして、パイオニアのダウンロード型ナビは、昨年インクリメントPが発表した『iフォーマット』を採用していることは言うまでもない。これは、カーナビをはじめ、PDA・携帯電話などのモバイル端末向けに、通信型ナビゲーションサービスを提供するために策定された画期的なサーバ技術体系で、これを利用することで、モバイル端末への地図データ供給はもちろん、経路計算・経路誘導・スポット情報検索などをサーバ側でリアルタイムに行え、その結果を瞬時に端末側に返して表示することができる。この実現にも通信インフラの整備が不可欠と言われていたが、KDDIの『CDMA20001x』を利用することで、これまでにないハイレベルな通信型ナビゲーションサービスが実現可能になるというわけだ。
カーナビは、今後、車載端末機としての性格をますます強めていくのは間違いなく、情報は常に新鮮であることが求められる。自動車メーカーもこの分野の成長性を認識しており、日産の『カーウイングス』に続いて、トヨタもこの秋頃から『G-BOOK』を搭載したニューモデルを発売する予定。こうした動きにホンダもサービス提供中の『インターナビ』を大幅にリニューアルし、こうした動きに対応することになっている。さらにクラリオンはかねてから登場が噂されている『AutoPC』の日本版『CADIAS』をいよいよこの秋には発売する見込みだ。
また、ダウンロード型ナビであれば、DVDドライブなどを用意しない分、低コスト化へとつながるわけで、これは軽自動車を含むコンパクトカークラスへのカーナビの普及が期待できる。こうした状況での今回の発表は、カーナビのアフター市場でトップを維持するパイオニアが次世代カーナビへの先手を打ったものとして大きな注目を浴びている。
なお、発売されるモデルの詳細はまだ明らかにされていないが、明らかになり次第、可能な限りこのページでご報告したい。



