今年11月、愛知県名古屋市瑞穂区内の県道で追跡するパトカーから逃れようとしていた暴走族のバイクと、この県道を横断しようとしていた男性が接触して死亡するという事故が起きたが、男性と接触したバイクを運転していた19歳の少年が自殺していたことがわかった。警察では被疑者死亡のまま、この少年道路交通法違反(ひき逃げ)と儀容無常過失致死容疑で書類送検する方針。
この事故は11月27日の未明に起きた。名古屋市瑞穂区内の県道・名古屋環状線で、横断禁止の道路を強引に横断しようとしていた男性に、パトカーからの追跡を逃れようとしていた暴走族のバイクが突っ込んだというもの。男性はバイクと接触した際、中央分離帯に設置されていた鉄柵に頭を激突。病院に収容されたが、脳挫傷などが原因で1時間後に死亡している。
愛知県警・瑞穂署や、県警の非行集団対策課は現場から逃走した暴走族グループの行方を追っていたが、今月に入ってこのグループに所属していた19歳の少年が、事故の起きた当日の午後、自宅で首を吊って死亡しているところを発見されていたことがわかった。
自殺直前、この少年は周囲の友人へ「大変なことを起こした」と相談しており、自殺する動機も見当たらないことから、事故の発生を苦に自殺したものとほぼ断定した。ただし、少年の使用していたバイクなどが発見されておらず、目撃者は「2人乗りだった」と証言していることから、警察では事故直後から行方のわからなくなったもう1人のメンバーが当時の事情を深く知る可能性が高いとして、現在も行方を追っている。