東京都駐車場公社は月17日から3月31日まで、カーナビを使って好みの駐車場へ自動的に誘導する「ITカーナビ駐車場案内・誘導システム」の試用実験を行っている。
東京都駐車場公社が有料駐車場への誘導実験を行うのは2001年(平成13年)に続き、今回が2度目。前回は事前に募集した30名のモニターのみを対象としていたが、今回は自動車メーカーの情報サービスと接続可能なカーナビの全ユーザーが対象となり、地域もこれまでの渋谷に加え、新たに新宿と池袋、町田が追加された。
「この4地域には有料駐車場がたくさんあるのだが、利用率はあまり良くなかった」と、東京都駐車場公社の幡谷知之主任は説明する。表通りにある有料駐車場は順番待ちができるほど盛況なのだが、1本でも裏通りに入ってみると空きの目立つ駐車場がかなりの数あるという。
その理由として最も大きなものは「その駐車場の存在が知られていないから」だとしている。これまで有料駐車場の存在や満空情報を知らせるものとしては、道路沿いに立つ案内表示板しかなかった。しかも比較的規模の大きい駐車場しか案内対象になっていないこと、案内板の位置まで到達しないと情報が取得できないことから参考にされにくく、1基あたり1000万円近い設置費用に見合った効果が得られていないとの指摘もある。
また、駐車場の情報がわかったとしても、最終的にその駐車場の位置を探すのはユーザーに任されていた。駐車場を探すためにウロウロすることが新たな渋滞を呼んだり、結局は大通りに面した「入口を探しやすい駐車場」のみが混雑する状況になってしまう。
そこで目を付けたのが情報取得機能のあるカーナビ。目的地方向の駐車場情報を獲得できるだけでなく、ユーザーが事前にクルマのサイズや許容できる料金の設定を登録しておけば、それに見合ったものを検索できる。もちろん、カーナビだからその駐車場までの経路誘導についても問題ない。