【トヨタ考察】世界シェア15%のための改革---弱点は克服されるか?

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●スリム化、スピードアップの鍵は専務

トヨタの改革は、サラリーマンの究極の目標でもある「重役」の椅子を半分以下に減らすという思い切った措置となる。同社の取締役は58人と上場企業では最多に膨れ上がっていたが、これを27人に削減、同時に常務役員を新設して39人を内定している。

新体制では商法上の取締役は専務以上となる。また、委員会等設置会社と同様に、取締役、常務役員(委員会等設置会社では執行役)とも任期は1年とし、現行の取締役の任期2年を短縮する。取締役は経営を監督するほか、経営の意思決定に携わる。また、取締役のうち専務は、担当する各部門の最高責任者として業務執行(オペレーション)の意思決定や責任を負う体制にするのがトヨタ流ガバナンスの大きな特徴となる。

委員会等設置会社では、取締役が経営の監督、執行役が日々の業務執行—という形で役割が明確に分離されるが、トヨタの新体制では、取締役も専務を中心に業務執行に深く関わることになる。。各部門の業務執行は、新設の常務役員を含む専務以下で完結させるようにし、意思決定階層のフラット化によるスピードアップを狙う。このため、「スリムになる取締役会と執行部門をつなぐ専務が鍵となる」(荒木隆司副社長)わけだ。

また、それぞれの業務に精通した専務に各部門のオペレーションの責任をもたせるのは、現場重視(現地現物)の意思決定という「トヨタウェイ」の精神を織り込んだ取締役改革ともいえる。専務は現行の5人から一気に15人に拡充され、将来、経営の中枢を担うのが確実な豊田章男常務も昇格する。

トヨタの意思決定は、部門によっては取締役—常務—専務—副社長と、多階層に渡っており、経営判断や業務執行のスピードを削ぐ要因ともなっていた。張社長も「事業がグルーバルな広がりを見せており、権限委譲をしないと難しくなってきた」と、現体制の限界を認めている。

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《池原照雄》

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