津波に呑まれたクルマ、なんと10年ぶり発見

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北海道警は7日、江差町の江差港北ふ頭から引き揚げたクルマが10年前に発生した北海道南西沖地震の際、津波によって海沿いの駐車場から無人のまま流されたクルマだったことを明らかにした。大半のクルマは地震直後に発見されていたが、この1台は行方不明のままで、沖まで流されたと推測されていたという。

北海道警・江差署の調べによると、このクルマが発見されたのは6日午前だという。江差港北ふ頭に係留された漁船に乗り込み、海面を眺めていた25歳の女性が岸壁から約15m離れた海底に沈んでいる乗用車の天井部分を発見。警察に届け出た。

警察では事件事故に巻き込まれたクルマである可能性も高いことから引き揚げを決定。7日午前から水深5m付近に位置していたクルマの引き揚げ作業を行ったところ、このクルマが1993年7月12日深夜に発生した北海道南西沖地震の際、江差港に隣接する駐車場から流された海上保安庁職員所有のトヨタ『タウンエース』であることがわかった。

所有者の職員は地震の影響を避けるために緊急出港した江差海保の巡視船「さろべつ」に乗っており、クルマが流されている場面には遭遇していないが、一帯を襲ったとされる高さ3mほどの津波にさらわれたらしい。他のクルマは地震の直後に港内で発見されているが、このクルマが一番海沿いに置かれていたことや、津波の規模などから沖合いまで流されたと判断されていた。

約10年ぶりの発見だが、一番驚いていたのは異動のために現在は道東地方で勤務するかつての所有者。県警からの一報に「そんなところにあった!?」と驚いた様子だったという。なお、クルマの外観は原型を留めていたが、車内には貝類や海藻が付着しており、10年という時間の経過を感じさせる状態になっていたようだ。

《石田真一》

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