●もう一つの顔……だから新次元
AVN9903HDをコンソールに収めていると、その姿は明らかにオーディオ的な“顔”をしている。右側のコントロールボタンはクリック感のあるボリュームとなり、左側はソース切替用ダイヤルとなる。中央には液晶ディスプレイが備わり、その下にはチューナーの選局にも使うボタンが並ぶ。これを見せてカーオーディオだと告げても誰も疑うことはないだろう。
それが右下の「OPEN」を押すなり、様子は一変する。一番下の部分が手前に迫り出し、一旦それが止まるとモニター部分が上に起き上がる。この動作は緩やかではあるけれど、動きそのものは極めてスムーズで、そこにチープさは微塵も感じられない。モニターが起き上がった状態は、カーオーディオの前に液晶モニターが重なって表示するような格好となる。この時はカーAVあるいはカーナビとしてのもう一つの“顔”を我々に見せてくれるようになるのだ。ここにイクリプスが『新次元AVN』と呼ぶ理由がある。
モニターは7型といえどもVGA表示に対応したもので、その高精細さはAVN8803HDよりも画面が大きくなった分、さらに際立っても見える。とくに衛星写真上をルート案内する『IKONOSU』での表示では、そのリアル感がさらに増したのは確実だ。細部がより鮮明に見えるものとなり、心なしか風景の表現力が増したようにも見える。AVN8803HDの6.5型と比べてわずか0.5型の差ではあるが、その違いは歴然と存在していたのだ。
また、他のイクリプスのAVN機と同様に、タッチパネル方式によるコントロール機能も本機には搭載されている。そのため、見たままに直感的にコマンド入力できるし、この操作がオーディオでも活かされるのも同じである。
モニターのアングルは、進行方向へ15度、手前へ15度の全7段階あり、これなら取り付けるコンソールが傾斜している車種でも問題なく取り付けられるだろう。手前にシフトレバーがあるクルマの場合、この迫り出す時に干渉が考えられるが、最近は取り付け部分がダッシュボードの上に用意されることが多く、その意味では比較的年式の新しいクルマではほとんど問題がないはずだ。
1/4●市場の拡大と先発メーカーの誇り
3/4●ツインHDDスタイル、さらにジャイロ
4/4●VICS用チューナーがツインチューナーに