JR東海は20日、三重県津市内にあるJR紀勢本線の踏切の制御装置が故障して遮断機が作動しないトラブルが起きていたことを明らかにした。踏切を渡ろうとしたクルマと、通過中の特急列車が衝突する危険性があったという。
JR東海によると、踏切の遮断機が作動しないというトラブルが起きたのは19日の午後3時25分ごろ。
津市新町1丁目付近にあるJR紀勢本線の踏切で特急列車が接近しているにも関わらず、踏切に設置された警報機や遮断機が作動せず、遮断棹も下がらなかった。このため、列車の接近に気がつかない乗用車が踏切内に進入した。
現場には紀伊勝浦から名古屋に向かっていた特急ワイドビュー南紀6号が接近、特急列車の運転士は前方の踏切に乗用車が進入したことを確認し、急ブレーキをかけた。しかしすぐには停止できず、乗用車が踏切を渡り終えた数秒後に真後ろを通過した。衝突は避けられたが、乗用車のリアガラスが列車通過の風圧で破損している。
列車の運転士、クルマの運転手の双方から通報を受けたJR東海が遮断機を制御する機械のチェックを行ったが異常は発見できず、次の列車が通過した際には遮断機や警報機も正常に動作したという。
同社では制御用の部品が一時的にトラブルを起こしたとみて、念のために正常品と交換する措置を取った。
この踏切では昨年11月にも同様のケースで特急列車とクルマが衝突する事故が起きており、JR東海では「機械的な故障を含めて精密な調査を行い、再発防止に努めたい」としている。