ホンダF1「Vデー」は5月9日、スペインGP!!

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
ホンダF1「Vデー」は5月9日、スペインGP!!
ホンダF1「Vデー」は5月9日、スペインGP!! 全 13 枚 拡大写真

●ウィリアムズの“牙”は重かった

“打倒フェラーリ”のために空力を攻めたという意味ではウィリアムズのマシンも同じである。ただしウィリアムズが抱えているとされる問題は、空力そのものの特性や冷却の問題ではなく、実は過重量なのだと噂されている。

F1マシンは、実戦レースに登場させる前にクラッシュテストをパスしなければならないというレギュレーションがある。いっぽうウィリアムズ「FW26」は今シーズンのマシンの中で異彩を放つ、セイウチの牙のような造型のショートノーズという思想を採り入れた。

これは、F1マシンのダウンフォースのほとんどを発生させているアンダーボディに大量の淀みのない空気を流し込むという文法において、「発明」といっても良いくらいの大胆なアイデアだった。ところがクラッシュテストを通過させるために、短いノーズと特徴的なウイングステーに強度を持たせたので、“余分に”重くなったというのだ。

F1マシンには600kgという最低重量が決められているが、正直に600kgの重量でマシンを設計するデザインチームは一つもない。例えば、ドライバーと車載カメラを含んで550kgでF1マシンが完成したとしよう。すると残りの50kgはバラストと呼ばれる重りに変換できるのだ。

このバラストはF1マシンの運動性能を決める上で非常に重要で、搭載位置を前後に移動することでハンドリングのバランスを適正化したり、できるだけ低い位置に比重の重い金属で搭載することで低重心化を進めることができる。つまりウィリアムズは例のノーズデザインのために、このバラストの自由度が小さいと言われている。

マクラーレンもウィリアムズも2004年のニューマシンを設計する際の目標は同じだった。それは“フェラーリと同じ事をしていてはフェラーリに勝つことはできない”という大前提に立っての“攻め”のデザイン思想だ。しかしF1は難しい。攻めなければ勝てないし、攻めすぎてもやっぱり勝てない。

1/3●新ルールに対応できなかったマクラーレン
2/3●ウィリアムズの“牙”は重かった
3/3●信頼厚い、佐藤琢磨の開発能力

  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 続きを読む

《編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  4. ホンダ『CB1000F SE コンセプト』を世界初披露! カウルが付いてネオレトロ感アップ、MSショーからの変更点もチェック!
  5. 自動車購入の落とし穴! 公取協・公取委の警告から学ぶ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る