【暴走羽田空港】警察と国交省、お互いが「わかっているだろう」と

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警視庁と国土交通省は4月30日、同28日夜に東京国際空港(羽田空港)で発生した制限区域内への乗用車侵入・暴走事件について、同様の事件が発生した際の対応を協議するため、関係機関で構成される「東京国際空港保安委員会」を急きょ開催した。

事件は4月28日の夜に発生している。羽田空港の東貨物ターミナル地区付近で女性から乗用車を強奪した男が、国際線ターミナル付近の工事用ゲートを破壊して制限区域内に侵入。約40分間に渡って滑走路などを暴走したというもの。

連続的に発生した事件のうち、制限区域内へ侵入する発端となった国際線ターミナル付近での工事用ゲート破壊については、警視庁・東京空港署の警察官による職務質問を振り切って逃走した直後に行われていた。

警察官は男が乗ったクルマが制限区域内に突入するのを目撃しながらも、ゲート内の警備が国土交通省管轄だったため、その後の追跡してよいものかどうか躊躇。無線を通して不審者侵入の事実を上司に報告するのみに留めた。

警察は現場からの連絡を受けながらも、「国交省はこの情報をすでに把握しているだろう」と思いこみ、東京空港事務所へ報告しなかった。空港側がこの事態を把握したのは、東京空港交通から「リムジンバスの車両を奪われた」という内容の通報を受けてからとなり、約8分間のタイムラグが生じていた。

また、東京空港事務所側も「リムジンバスが接触事故を起こした」という情報を単なる交通事故として処理。警察に対してその事実の報告を行っていなかった。このために全ての情報は関連付けされることもなく、そのどれもが単独事象として処理が進められた。結果として対応が後手に回り、男の滑走路内暴走を許した。

警察、国交省ともに「連絡体制に不備が生じた」ということは大筋で認めており、同様事件の再発を防止するため、消防や税関、入管などの空港関係機関で構成される東京国際空港保安委員会を急きょ開催し、対応策の協議を行った。

協議の詳細は明らかにされていないが、非常事態発生時の情報一元化や、それに向けた集約作業の徹底などが検討されたものとみられている。

《石田真一》

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