事故のPTSDで脱毛…主張を裁判所が容認

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交通事故に遭ったことでPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、頭髪の大部分が抜ける症状を起こした11歳の女児が、事故を起こした相手に対して総額800万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、福岡地裁小倉支部は25日、事故との関連を認め、690万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

問題の事故は1999年6月に起きている。福岡県岡垣町内に住む当時6歳の女児が、道路を横断しようとした際、通行してきたクルマにはねられるという事故が起きた。

女児はこの事故によって全治2週間程度の軽傷を負ったが、事故の直後からクルマの走行音に対して恐怖心を抱くようになり、1カ月後からは頭髪が抜け落ちるという症状に悩まされることになった。

この症状は現在でも改善されず、女児の主治医は「交通事故を起因としたPTSD症状で、ストレスから脱毛を生じさせた」と判断。女児はこれを事故による後遺障害であると主張し、交通事故の加害者側に対して総額800万円の賠償請求を行っていた。

25日に行われた判決で、福岡地裁小倉支部の杉本正樹裁判官は「女児には事故以前に脱毛の症状は確認されておらず、事故を原因としたストレス性障害が原因ということには整合性がある」と指摘。

その上で「現在もクルマの音を聞くだけで“またはねられるかもしれない”という恐怖感を抱いており、脱毛の症状は今後も回復が望めない」と、後遺障害であることを容認した。

また、加害者側の「事故は女児の飛び出しによって発生した」という主張については、「前方不注意状態でクルマを走行させていた加害者側の責任がより重い」と判断、これを容認せず、女児に対して690万円の支払いを行うように命じる判決を言い渡した。

《石田真一》

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