精神鑑定の必要なし…バスジャック犯の申し立て認めず

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昨年7月、家族と言い争いをしたことで自暴自棄となり、長野県内の上信越自動車道を走行中の路線高速バスを乗っ取ったとして、人質強要処罰法違反と銃刀法違反の罪に問われた22歳の男に対する控訴審初公判が6月28日、東京高裁で開かれた。被告側は精神鑑定を求める上申書を提出していたが、裁判所はこれを却下している。

問題の事件は昨年の7月28日に発生している。同日の午後6時40分ごろ、新宿からJR長野駅前を目指して走っていた川中島バスの路線高速バスが長野県坂城町内の上信越道を走行中、刃物を持った乗客の男に乗っ取られた。

男は運転手に刃物を突きつけて近くのパーキングエリア(PA)に入るように要求。さらには「警察を呼べ」、「パトカーをたくさん集めろ」という要求を立て続けに行い、PAで乗客33人もあっさりと解放するなど、通常のバスジャック犯とは異なる印象も見せた。

男は運転手のみを人質に取って車内で1時間ほど立てこもったが、運転手から「お前は若いんだからまだまだやれることはいっぱいある」、「誰にもケガさせていないから大丈夫だよ」などと説得され、運転手の解放と投降を決意。直後に人質強要処罰法違反と銃刀法違反の現行犯で逮捕された。

一審の長野地裁では「犯行はあまりにも身勝手で短絡的、情状を酌量する余地はない」と認定し、被告の男に対して懲役4年の実刑を命じたが、男は「量刑不当」で控訴。同時に精神鑑定の実施を要求していた。

6月28日に東京高裁で行われた控訴審の初公判で、被告側は「こうした間違いを二度と起こさないため、自分の性格を把握しておきたい」と主張。これを理由に精神鑑定の実施を裁判所に求めた。しかし、裁判所は「被告の責任能力に問題は無く、精神鑑定の必要は無い」とこれを棄却。争点が無くなったために同日で結審した。

《石田真一》

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