過労が原因の事故、2億6700万円の賠償命じる

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過労運転の大型トラックが追突し、一家3人が死亡した事故で、遺族側が運転していた63歳の男(服役中)に対し、慰謝料など総額3億3500万円あまりの損害賠償を請求した民事訴訟の判決が16日、高松地裁観音寺支部で行われた。

裁判所は被告の男に対し、約2億6700万円の支払いを命じている。

事故は2003年2月7日に発生した。同日の午後0時5分ごろ、愛媛県川之江市(現在の四国中央市)川滝町付近の四国横断自動車道(高知自動車道)上り線・法皇トンネルで、工事実施による車線規制のために停車していた乗用車など7台の列に対し、後続の大型トラックが減速しないまま激突した。

この事故で列の最後尾にいた乗用車に乗っていた49歳の男性と47歳の女性、そして20歳の女性の一家3人が死亡し、前方の6台に乗っていた5人が重軽傷を負った。

大型トラックを運転していた男は業務上過失致死傷容疑で逮捕されたが、後の調べでこの男が事故当時、過労で居眠り状態だったことが判明。事故に気がついたのは最後尾のクルマに激突した直後だったと供述している。男は昨年12月、禁固5年の実刑判決を受け、現在も服役中だ。

遺族側は「死亡した3人に落ち度は一切無かった」として、トラックを運転していた男に対し、慰謝料や逸失利益など総額3億3500万円あまりを求める民事訴訟を起こしていた。

16日に行われた判決で、高松地裁観音寺支部の小林康彦裁判官は「過労によって眠気を覚え、さらには前方注視が困難だったにも関わらず、漫然と運転を続けた過失は重大だ」と指摘した。

さらには「事故は被告の一方的な不注意によって引き起こされており、これは強い社会的非難に値する。一方で何の落ち度もなく死亡した3人の被った無念さ、精神的苦痛は甚だしい。また、3人を突然失った原告らの悲嘆や喪失感は深い」として、原告側が求めていた請求額のうち、約2億6700万円の部分については請求を認め、被告側にこれを支払うように命じる判決を言い渡した。

《石田真一》

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