★世界中で独自のメカニズムといえるシンメトリカルAWD
スバル『レガシィ』の技術基盤になっているのは、2リッターの排気量を持つ水平対向4気筒エンジン、余裕を持って大人4人乗車で長距離ツーリングできる居住空間の確保されたワゴン、セダンのボディ、シンメトリカルAWDと呼ばれる、縦置きエンジン/縦置きトランスミッションをベースにした4WD駆動方式といったものだ。
そもそも世界的に見ても、4輪駆動方式がだけがラインアップされたレガシィのような車種はほかには見当たらず、この事実だけ見てもレガシィが特別な存在であることがわかる。
増田「最初のレガシィは一部にFFモデルもありましたが、2代目の途中からレガシィは4輪駆動に特化しています。レガシィも200psをはるかにオーバーするパワーを持ち、車両重量も1.4トン・クラスになった。こうしたクルマでより速く、しかも安心感のある長距離ドライブをするのに4輪駆動システムが理想に近いという判断があったと聞いております」
じつは1980年代半には世界的に乗用車の4WD化を推し進めるブームがあったが、そうした車種はあまり長続きしなかった。
増田「スバルの4輪駆動方式は、低重心の水平対向エンジンを縦置きに搭載し、トランスミッションから後輪駆動用のプロペラシャフトが出ている、スバル独自のシンメトリカルAWDは機構的にもレイアウト的にもきわめて合理的であり、軽量・簡潔なシステムなのです」
この合理的な4WDシステムは、スバルの基幹技術となった。こうしたベースとなる技術があったからこそ、レガシィを4輪駆動方式だけに絞るという決断ができたのである。
もちろんレガシィはシンメトリカルAWDのセダン/ワゴンということだけが特長ではない。エンジンは2リッターが基幹であるが、ターボ仕様では280ps(ATは260ps)というハイパワー、35.0kgmという大きなトルクを、自然吸気エンジンでも190ps(ATは180ps)というパワーを絞り出している。これは同等クラスのセダン、ワゴンと比べると突出している。
まさにスポーツカーなみの走りを体現したセダン/ワゴンなのであり、こうしたエンジンの力をきちんと路面に伝えるためには4輪駆動システムは不可欠な組み合わせなのである。
★エンジニアの高い志がクルマ作りに生かされている
★世界中で独自のメカニズムといえるシンメトリカルAWD
★エンジニアの挑戦がレガシィを固有のものにしていく
★運転の楽しさ、所有する喜びを実感できるクルマづくり