レクサスの超流通がクルマを変える!? 音楽から地図配信へ

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レクサスの超流通がクルマを変える!? 音楽から地図配信へ
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■リア席向けの映画配信も数百円

エンタテイメント分野でも、超流通システムは大きな可能性を秘めている。

まず、ユーザーの利用権の設定が容易な超流通では、再生期限設定などで著作権と価格のコントロールが自由に行える。例えば現在のG-SOUNDでも、一部の楽曲は「1日」という形で販売している。再生期限付きコンテンツの価格を安く設定する事で、ユーザーが気軽に買えるようになり、さらに利用権が消失する事で音楽CDなどパッケージ販売への影響も抑えられる。その点をしっかりと理解すれば、ユーザーのみならず、音楽業界にとっても「プラス」になる仕組みだ。

さらに将来で言えば、「リアエンタテイメント分野にも可能性がある」(藤原氏)という。超流通システムは配信するデジタルコンテンツの種別を問わず、さらに“配信経路も問わない”という特徴を持っている。現在のG-SOUNDではあらかじめHDD内に暗号化された音楽コンテンツが収録され、追加版はCD-ROMの配信で行っている。しかし、Blu-ray DiscやHD DVDなど次世代DVDが普及すれば、圧縮・暗号化した映像コンテンツライブラリをユーザーに配布し、超流通システムで見たいものだけ買うという使い方も考えられる。

「例えばドライブ中に、再生期限の付いた映画を数百円で購入する。リアエンタテイメントなら、そういうビジネスも技術的には可能。(課題としては)著作権者の理解が必要ですが」(藤原氏)

現代のクルマはデジタルコンテンツとソフトウェアの集合体といっても過言ではない。クルマが「馬車の代わりのハードウェア」として成立した牧歌的な時代は終わっている。制御ソフトウェアから始まり、カーナビの地図、クルマを楽しむための音楽や映像。これらはすべてデジタル情報であり、著作権の管理と保護技術を必要とするものばかりだ。今後、デジタル著作権管理の仕組みが自動車ビジネスにとって重要なものになるのは明白である。

トヨタがレクサスG-Link/G-BOOK ALPHAを通じて、デジタル著作権管理をどのように使っていくのか。クルマのIT化を推進する先行事例として、注目しておく必要があるだろう。

■ライセンスコストがいくらかかるか
■配信経路は自由
■将来は「運転プログラム」も視野に
■リア席向けの映画配信も数百円

開講迫る!
G-Link/G-BOOK ALPHAの戦略
−レクサスに標準搭載されたテレマティクスの全貌−

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《神尾寿》

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