ブリヂストンの新しいコンセプトのタイヤ、『Playz』PZ-1をVW『ゴルフ』GLiに履かせてチェックした。タイヤサイズは195/65R15 91Hで、指定充填空気圧は前後とも2.1である。
走り始めて最初に感じることは、タイヤがやわらかいとか、弱いわけではないのに、タイヤから伝わる刺激が少ないことだ。これまでは、タイヤがソフトだとドライバーに対する刺激は弱いが、しっかりしたタイヤだと刺激も強かった。しかしPlayzはしっかりしているのに刺激が少ないのだ。
ハンドル応答性はハンドル角にリニアなレスポンスで、シャープなわけではないが、舵に対して正確な反応があるから扱いやすい。これによりライントレース性がよい。コーナリング時はもちろん、直線走行でも車線の中で正確に位置づけできるから、気を使わずにドライビングできる。
危険回避操作などで急に切り込んでも、安定性が確保されている。応答遅れはなく、あとからヨーが強く出ることもないのであくまでもスムーズな動きだ。日常の領域だけでなく、急ハンドル時でもクセのないハンドリングは褒められるポイントだ。
直進付近のニュートラル感は遊びがない感じだ。小さな操舵でもちゃんと反応してくれる印象。手ごたえも小さく、切り始めからのインフォメーションがしっかりあるので、どんなヨーがでるかが想像できるのはいいことだ。試乗したクルマは違うが、この手ごたえは昨年発売した時点でのPlayzより確かな感じを受けた。
コーナリングもしっかりしている。ガチッという強いグリップ感が感じられないので、コーナリングには大きな期待はしていなかったが、あっさりとスムーズにこなしてくれるのだ。ちょっとハードな走行も試してみた。追い込んでいったときにも確実なグリップが出てきて、トレッドが路面を掴んで放さないという感じがした。これはトレッド面が丸くできている特徴だろう。
普段はあまり強さを見せないところがいい。しかしいざとなったらしっかりした強いグリップが顔を出してくれるのだ。Playzは予想以上に頼もしいタイヤだった。
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