ヨーロッパ商用車覇権レース、伊仏合作バンで過熱か

自動車 ニューモデル 新型車
ヨーロッパ商用車覇権レース、伊仏合作バンで過熱か
ヨーロッパ商用車覇権レース、伊仏合作バンで過熱か 全 4 枚 拡大写真

フィアットとPSAプジョーシトロエンは11日、合弁工場で生産している貨客用商用車フィアット『ドゥカート』/プジョー『ボクサー』/シトロエン『ジャンパー』の新型を発表した。今年後半に発売される。

両社は1978年、商用車を合弁生産する『セベル』社を設立。現在イタリアのバル・ディ・サングロで上記の3モデルを、フランスのバレンシアンヌの工場でプジョー/シトロエン/フィアット/ランチアのMPVを生産している。

今回発表された“バン3姉妹”新型のエンジンには、100−157馬力のコモンレール16バルブディーゼル4種が用意される。手動変速機は、従来からの5段に加え、新開発の6段も追加される。また、ABSと運転席エアバッグが全車標準となった。オートレベリング・サスペンション、MP3対応オーディオ、ブルートゥース・ハンズフリー通話対応など、オプション装備充実も図られている。

従来型ドゥカート/ボクサー/ジャンパーは、過去7年間で約200万台が売れたヒット車種。その好調な売れ行きは、2002年に両社が合弁を2017年まで延長することに合意したきっかけにもなった。また今回同時に、フィアット・アルゼンチン工場で生産する変速機をプジョー/シトロエンに供給することも発表された。伊・仏2大メーカー間の連携は、より強固になりつつある。

いっぽうルノーは9日、GMとの商用車共同開発に関する提携の契約延長を発表した。こちらは1996年に締結されたもの。現在商用車を英・仏の工場に加え、日産スペイン工場(2002年から)でも生産し、ルノー、オペル、ボクスホール、日産の各ブランドで販売している。

欧州商用車マーケットにおける企業の垣根を越えた合弁・提携は、乗用車とは別にライバルを睨みながら着々と構築されつつある。

ちなみにそうして誕生した各社のミニバンは、ヨーロッパではホテル送迎や観光ハイヤーとしても多く使われている。また、大手レンタカー会社もグループ旅行客を見込んで大量導入している。欧州を旅していると、知らず知らずのうちに何かとお世話になっている車でもあるのだ。ただし一部地域では、移動交番車の定番でもある。こちらはできれば(特に護送などで)試乗したくないものだ。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  4. Uber Taxi、埼玉県で初のサービス開始…千葉県でも大幅エリア拡大
  5. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る