2 | 未来のライフスタイルを予測 |
商品企画は、プレスインフォメーションを要約すると、「質の高い安定感のある走りを追求した『軽枠』高速・高級ツアラー」である。
ライフスタイルの変化にともないカップル世帯が増え、軽自動車ユーザーの行動範囲が広がった。そうした顧客の中で、ちょっとお洒落な「大人のカップルズ」をターゲットにしているとのこと。子育てを終えた世代と、今最も購買力がある団塊世代の夫婦専用のセカンドカーも、郊外や地方を中心に需要が増えている。
今後の市場予測として、日本のクルマ文化やライフスタイルの傾向から、軽自動車にも普通車並みのモダンな大人の上質がますます求められるようになり、ソニカの狙いはまったくもって正しいといえる。
これまで各社とも、天井を高くして広い室内空間を競い合って追求してきたが、いつのまにか、自動車として基本的な価値である「高速快適移動」を提供する、天井の低いモデルが軽自動車市場から消えていた。スバル『R2』の企画が近いが、小型車なみの美しい豊かな面造形は、背が高いこともあり軽自動車の最大のウィークポイントである幅の狭さを浮き彫りにした。
ところがダイハツでは軽の専業メーカーとして経験が豊富だ。かつて職人技ともいえるテクニックを駆使した『ネイキッド』を開発、フラットな側面を強調したデザインでリアエンドを軽枠の最大幅1475mmに近づけ、軽自動車とは思えない幅広感を実現した実績がある。ソニカはこれまで学んできたこうした「軽」の造り方の集大成として、サイズで見劣りしない合理的モダンデザイン+究極のハードウエアを選択した。
R2や三菱『i』を横目でにらみながら、空白のポジションに王手をかけるという、実は手堅い戦略なのである。