5 | 基本が良いから細部が気になる |
さて、せっかくのデザインレベルを達成しながら「おし〜ぃ!」ところがある。プレーンな面造形のクオリティを上げるためには、ディテールでのアクセント処理が必要なのだ。
特にフロントグリルは見せ場であるにもかかわらず、フランジ(縁)が狭いため、フロントエンドが薄っぺらに見えてしまう。内部にはギリギリまで機械部品が詰め込まれているのだろうが、これを逃げながら何とか立体的に見せてほしかった。ヘッドランプ周辺も同様で、特に下側フランジ部でのちょっとした演出が欲しい。それによって、質感がかなり向上するはずだ。
この、「低く安定した走りの軽」のポジションには、かつてホンダ『トゥデイ』が君臨していた。現在の衝突安全基準や歩行者衝突安全への対応、顧客の高級指向などを満足させていくと、ソニカがその進化型となるが、ホンダ自身がここのジャンルを埋めてこなかったのはダイハツにとってラッキーなことである。