【D視点】ゲイシャ、フジヤマ、スバル ステラ?

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【D視点】ゲイシャ、フジヤマ、スバル ステラ?
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 三男の魅力としたたかさ

軽乗用車の老舗スバルが、初のトールワゴン軽乗用車、『ステラ』を発表した。トールワゴンが軽乗用車の主流だが、ここまで時流に乗り遅れたのは、頭頂空間を増やすことのメリットとデメリットについて、社内のコンセンサス取りに手間取ったからなのであろう。

この背高ノッポの5ドアハッチバックは、バンパー周りのデザインと装備の違いで2タイプが設定されている。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1645mmと、先発のトールワゴンと大差無く、デザインも見慣れた感じなのでそれと意識しないと見過ごしてしまう。

【画像全17枚】

性能面では、660cc4気筒エンジンと新開発の無段変速機との組み合わせで、クラストップレベルの低燃費とスムーズな加速を実現している。加えて、4輪独立懸架サスペンションの優れた乗り心地など、技術イメージのスバルらしい商品企画となっている。

一見、それ以外に何の取り得もなさそうなステラだが、限られた空間に子育て中のママさんのライフスタイルを詰め込んだような装備を見ていると、丁寧に考えられデザインされていることが分ってくる。このタイプのクルマを検討中の人には、一度スバルのディーラーにも足を運ぶことを薦める。

その秘密は、以前ひろく話題となった“川下発想”といわれる商品開発法にある。先発のトールワゴン体験者やヤングママの声を生かしながらステラを作った、開発者の姿を想像してみよう。

子沢山の家族では、三男ともなると知恵を働かせないと残り物しか回って来ない。しかし、必要に迫られて知恵を出すうちに優れ者になる。一般に言われる最後発メーカーのデメリットをステラはメリットに転換した。そのしたたかさがユーザーを喜ばせる要素となっている。

D視点:デザインの視点
筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---東京造形大学教授、デザインジャーナリスト。元日産のデザイナーで、社会現象となった『Be-1』をプロデュースした。
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《松井孝晏》

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