【D視点】ホンダ ストリーム 新型の「走りのカタチ」

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【D視点】ホンダ ストリーム 新型の「走りのカタチ」
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 正攻法デザイン+キャラクター

包み隠さず言うと、6月に北海道で行われた先行試乗会で新型ストリームを見た瞬間、旧型とくらべデザインは個性を失ったと思った。しかしテストコースを半周もしないうちに、直進安定性の良さと共に、腰の強さによるフラットで破綻の無い走りは、只者ではない印象を受けた。

「7人乗りミニバンがこんなに早く走る必要があるのか」という素朴な疑問が頭をかすめたが、すぐにそんな疑問はどこかに吹っ飛び、「車である以上、どんな車種でも運動性能が洗練されているに越したことは無いのだ!」という想いが漲った。

さしあたってのライバルであったマツダ『プレマシー』は、先ごろのモデルチェンジで、サイズを大きくし3ナンバーになったが、新型ストリームは5ナンバーを守った。中国でコンパクトなサイズの旧型7人乗りプレマシーは大ヒットしている。ホンダは悔しい思いをしたに違いない。

推理するに、その結果、あえて5ナンバーサイズを守り、BRICs戦略機種としての役割を持たせるために、ストリームを世界共通言語である走り訴求の力強いスタイルに軌道修正したのではないだろうか。

プジョーは、ライオンの紋章のエンブレムに合わせネコ科の顔をイメージした、エモーショナルなデザインによって業績は絶好調である。ホンダも、新型ストリームの走りを象徴するエモーションの表現に、アグレッシブな狼、「シルバーウルフ」をキーワードにデザインしたとのことである。このあたりからも、世界戦略車を意識していることが推理できる。ガソリン高騰を背景に、コンパクトな7人乗り高性能ミニバンが21世紀初のワールドカーになれるか、今後の動きから目が離せない。

D視点:デザインの視点
筆者:荒川健(あらかわ・けん)---1949年生まれ、多摩美大卒。三菱自動車で『MT90X』、マツダでユーノス『プレッソ』や同『500』のチーフデザイナーを歴任。1995年独立し、デザインフォースアソシエイションを主宰。大手自動車メーカーのモーターショー出品コンセプトカー、韓国、中国メーカーの量産車デザインを手掛ける。現在パソコンテレビGyaOの『久米宏のCAR TOUCH!!』にデザインの指南役として出演中。

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《荒川健》

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