新日本製鐵はこのほど、中国江蘇州蘇州市に冷間圧造用鋼線の製造・販売会社を設立することを決定した。
自動車用のボルト・ナット類は、その用途のほとんどが重要保安部品であり、加工工程も、素材に要求される疵、錆び等の表面性状が厳しい冷間圧造工程を経るものが多く、線材から二次加工製品である導線まで一貫での厳格な品質管理が求められている。
現在、これらのボルト・ナット類をはじめとした冷間圧造部品は日本からの輸出が太宗を占めているが、今後、中国における日系自動車メーカーの生産増に伴って、現地生産数量の増大が見込まれている。そこで、同社としては、日本からの鋼線輸出に比べ品質・デリバリーなどの面で優位な現地での供給体制を整えることで、日系自動車部品メーカーをはじめとする需要家の現地生産化の積極推進等、多様化するニーズに応えていこうと考えたわけだ。
今回設立する中国の製造・販売会社「日鉄特殊鋼棒線製品有限公司」(仮称)の出資会社は新日鉄(28%)、松菱金属(14%)宮崎精鋼(14%)、サンユウ(14%)、豊田通商(12%)、メタルワン(9%)、日鐵商事(9%)の7社。新会社は06年9月に設立され、早期に稼働を開始し、年産数量7000トンを目指す。