【インタビュー】高速道路SAPAはなぜ、ETCではなくFeliCaを選んだのか

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【インタビュー】高速道路SAPAはなぜ、ETCではなくFeliCaを選んだのか
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SAPAは少額決済が集中している

−−なぜ西日本高速道路はFeliCa決済に注目したのですか。

鈴木 FeliCa決済導入の話は道路公団時代に遡るのですけれど、当初、我々はクレジットカードの導入に着目した。しかし、SAPAではクレジットカードの利用率が0.6%くらいしかなかった。よくよく考えてみればそれも当然で、SAPAでの買い物は少額が中心。お客様の平均単価がガソリンスタンドを除けば、400−500円しかないのです。今のクレジットカードの使い方は高額中心ですので、この平均単価では利用していただけなかった」

−−クレジットカードは当初、T&E(トラベル&エンターテイメント)分野での利用が訴求されて、非日常のシーンや高額決済で使うものというイメージが強いですね。ビザ・インターナショナルなどば「100円からVISA」とアピールしていますけれど、日本では少額決済にクレジットカードを使うことが忌避される傾向は確かにあります。

鈴木 ええ、まさにSAPAはその「少額の塊」なんです。ですから我々は、少額市場向けのキャッシュレス決済として当時台頭してきたビットワレットの「Edy」に着目しました。そこで最初はEdyが導入できないかとビットワレットと話を始めたのですが、その後、半年もしないうちに様々なFeliCa決済方式が登場してきた。これで、我々も「どうしたものかなあ」ということになったんです(苦笑)

−−FeliCa決済は基本技術としてソニーの非接触IC「FeliCa」を使うことで一致していますが、その上で動く「Edy」や「iD」、「ビザ・タッチ」、「Suica電子マネー」などは別々の決済方式で、今年に入るまで相互利用の動きも明確化してませんでしたから。導入する側に迷いはあったわけですね。

鈴木 同時期に道路公団民営化で、こちらが各高速道路会社に分かれてしまったという事情もあります。結局、東日本と中日本はどこか1社のFeliCa決済を導入する方向になり、西日本高速道路は複数のFeliCa決済事業者に参入してもらい、その競争の中から「お客様に使われるもの」を選んでいくという姿勢になりました。

−−ところで、なぜFeliCa決済の導入実験で九州地区を選んだのでしょうか。

鈴木 九州の道路交通は92%が域内交通でして、本州との連絡は8%しかない。まずは、この自己完結性の高い「アイランド」で実験するという形になったのです。

ただ、ここで困ったのが導入実験をする複数のFeliCa決済で、加盟店側に置くリーダーライターの共通化がされていないことです。そこで今回の実験では九州エリアのSAPAでテリトリーをわけて、それぞれ異なるFeliCa決済に対応するという形にしました。

☆10月31日に開催されるセミナー「拡大するロードサイド決済ビジネス」では、西日本高速道路のSAPAキャッシュレス化に向けた取り組みやビジョンの詳細解説。および、九州SAPAのFeliCa決済導入実験の最新報告などが行われる予定です。
☆セミナーの詳しい内容および申し込み
(会場の定員に達しますと締切となります)
http://www.rbbtoday.com/bch/seminar/2006-10-31-S06308.html

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《神尾寿》

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