【池原照雄の単眼複眼】ホンダの「ブランド」際立つデザイン戦略展開

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【池原照雄の単眼複眼】ホンダの「ブランド」際立つデザイン戦略展開
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ホンダとアキュラにそれぞれの統一感

ホンダが新たなデザインポリシーを打ち出した。2008年秋から日本で始まるプレミアムブランド「アキュラ」展開を視野に入れたもので、ブランドごとにアイデンティティを明確に打ち出したデザインを採用していく。

今月発売した新型『CR-V』では、そうしたデザイン戦略を具現化したという。すべてのモデルで完結するには5−6年を要す見込み。多くの車種を抱える量産型メーカーがデザインの統一性を確立するのは難しく、ホンダの取り組みに注目したい。

「ホンダ」ブランドでは、フロントグリルを「H」のエンブレムと、そこから左右に伸びるベルト(バー)との組み合わせで特徴づけるのが新たな基本デザインの一例。『CR-V』のほか、今年全面改良した『ストリーム』や新型軽自動車『ゼスト』などでも採用された。

◆「テイスト」を意識的に発信する

これまで「H」はフロントグリルの中に単独で埋め込まれていたり、ボンネットの前部に取り付けられたりしていた。今後は個々のモデルで特徴は打ち出すものの、ベルトとの組み合わせで統一を図っていく。

一方の「アキュラ」ブランドは、フロントグリルを5角形(ペンタゴン)をモチーフにしたデザインで統一性を出し、「A」のエンブレムと組み合わせる。

アキュラは北米に次いで中国市場への投入が始まったが、今後、日本をはじめ世界への展開が進む見通し。ホンダブランドとの区別をより明確にし、「それぞれのテイストを意識して発信」(ホンダ幹部)していく方針だ。

◆独創性は守れるか?

ホンダは今年3月に3系列だった国内販売網を一本化、すべてのホンダブランドは「ホンダカーズ」扱いとなった。従来のように販売系列ごとの特性訴求にこだわる必要もなくなり、「ホンダ」のアイデンティティづくりに集中はできる。

ただ、ホンダの国内販売車種は、乗用車だけで24モデルにのぼっている。統一性が強く前面に出過ぎるとデザインの自由度を縛る恐れもある。

ホンダらしさの源流となる独創性や個性をデザインで失うことなく、どうブランドアイデンティティを確立するのか、実験的な取り組みとなる。

《池原照雄》

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