ETC割引の乗り継ぎ 自粛求める

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ETCを使った限定割引が高速道路各社で企画されているが、割引に気を取られて事故を起こさないようにと、高速道路会社が呼びかけている。

例えば、中日本高速道路(NEXCO中日本)は、1月2日から4日までの3日間、東京に向かう上り車線で「東名お正月限定早朝割引」を実施する。ETC利用者を対象として約50%割り引くものだが、こうした高率な割引を、複数適用させようとする運転者に向けて自粛を求めている。

割引サービスは、時間と場所の制限がある。適応時間であっても対象区間外からの乗り入れた場合は、インターチェンジ(IC)を一度降りて入り直さないと、複数の割引は適応されない。そこで危惧されるのが事故の危険だ。

「慣れないICを降り、Uターンして再び入り直すのは事故を招く要因を作り危険です」(横浜支社料金グループ)

手間をかけて入り直しても、複数の割引を受けるメリットは思ったより少ない。前述の正月限定割引の場合、6:00−9:00までに静岡−厚木区間10カ所のICから入らなければならないが、対象区間外からスタートして静岡ICで入り直しても、100円、200円というわずかなお得感しか得られないのだ。

高速道路は、料金は近距離より長距離利用が割安になっていて、一端降りるとかなり割高になる。例えば、名古屋IC−東京ICを走行した場合、深夜割引(約30%割引)だけで一度も一般道路に出ないで走行すると4950円(普通車)だ。

仮に正月限定早朝割引を適用させるために静岡で降りても、名古屋−静岡間2750円(深夜割引)と静岡−東京間2050円(正月限定早朝割引)で総額4800円かかる。その差は、わずか150円だ。

「2回高速道路に乗り入れることで、通常に走る場合より場所によっては割高になる場合もあります」(同料金グループ)

Uターンは事故発生につながりやすい運転パターンだ。乗り降りの手間が加わることも考えあわると、割引の乗り継ぎは賢い節約とはいえないかもしれない。

《中島みなみ》

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