ダイムラーと袂を分かち、投資会社サーベラスの傘下に入るクライスラーグループで、早期希望退職の募集に6400人が応じていることが明らかになった。
これは時給労働者を中心に今年の始めにリストラ策の一環として募集が行われたものだが、当初の予定では今年中に4700人をカットする筈だった。
クライスラーが2月14日に発表したリストラ3年計画では、3年間の時給労働者の退職数を1万1000人とし、さらに2009年には正規雇用者も2000人削減するのが目標だった。
しかし、第一回目の希望退職募集で予想をはるかに上回る数が応じたことに、クライスラー側は困惑。早期退職に対する退職金などの基金や、工場を稼働させるに充分な労働力の確保などの問題から、すべての希望に応じることは困難、と発表した。
今回の希望退職者数の激増は、サーベラスへの売却に対する不安の現れ、と見る向きも多いが、同様の予定を上回る希望退職はフォードにも見られており、自動車業界全体への雇用不安が増しそうだ。