15日早朝、徳島県鳴門市内の国道11号で、事故の実況見分を行っていた徳島県警・鳴門署のミニパトカーが盗まれる事件が起きた。ミニパトカーは約8km離れた徳島市内まで逃走。警察では55歳の女を窃盗の現行犯で逮捕している。
同署によると、事件が起きたのは15日午前5時20分ごろ。これに先立つ同日の午前3時40分ごろ、鳴門市撫養町木津付近の国道11号を走行中の軽乗用車が対向車線側に逸脱。対向車線を走行してきた普通トラックと接触する事故が起きた。
通報を受けた同署員3人が現場に急行。当時は雨が降っており、逸脱側のクルマを運転していた55歳の女は署員に対して「自分のクルマの中に入っていいか」と要請したが、容疑車両ということもあって署員はこれを拒否。すると女は「じゃあ、パトカーの中で待たせてくれ」と言い、路上に止めていたミニパトカーの後部座席に乗り込んだ。
署員は降りるように命じたが、女はこれを無視したことから現場検証を続行。数分後、女は署員の隙を狙って運転席に移動。そのままミニパトカーを盗んで走り去った。
警察では緊急配備を行い、盗まれたパトカーの追跡を行ったが、パトカーは盗難現場から約8km離れた徳島市川内町平石付近の国道11号で工事車両に追突する事故を起こして立ち往生。運転していた女は窃盗の現行犯で逮捕された。
調べに対して女は「寒かった。(現場検証の)時間が長く掛かりそうなので家に帰ろうと思った」などと話しているという。逸脱事故についても故意に逆走を行った可能性もあり、警察では刑事責任能力の有無についても調べを進めている。