出光興産は、山口県周南市内にある徳山工場で建設を進めてきたアダマンタン製造装置が9月末に完工し、10月5日に起動式を行うと発表した。
同社は、独自のゼオライト触媒技術を用いたアダンタンとアダマンタン誘導体の開発・商品化を進め、特に半導体製造用フォトレジスト原料としてのアダマンタン誘導体市場では世界トップシェアの地位を確立している。
アダマンタンは、耐熱性、脂溶性、昇華性、耐湿性、高屈折率、耐薬品性などに優れた化合物で、誘導体は、フォトレジスト以外でも、光学材料や医薬などの原料として期待されている。
これまでアダマンタンは、処理困難な廃触媒が発生する塩化アルミ法によって中国で生産してきた。今後のフォトレジスト市場の拡大に備えて原料の安定的に調達するため、独自に開発した廃触媒を発生しない環境負荷の少ない世界初のプロセスによるアダマンタンの自社製造を開始する。