【D視点】産地不詳でもおいしそう…新型スバル インプレッサ

自動車 ニューモデル 新型車
【D視点】産地不詳でもおいしそう…新型スバル インプレッサ
【D視点】産地不詳でもおいしそう…新型スバル インプレッサ 全 12 枚 拡大写真
3
魅力的なブランドアイデンティティがあるのに

リアスリークォーターは人気のドイツ車、サイドビューはイタリア車、フロントビューは日本車のような、見慣れないクルマが走っていたら、新型インプレッサである可能性が高い。

フロントマスクに六連星マークを確認できても、これまでのデザインの痕跡すら残していないクルマを、新型インプレッサとは認め難い。「ブランド・アイデンティティ」のないクルマは産地不詳の食材と同じで、信用できない。

スバルは車種数が少なく、ブランドが確立された数少ないメーカーだ。アイデンティティ変更は、軽乗用車の起死回生の切り札とした『ステラ』以降、「川下発想」といわれる商品開発法を採用したのが要因と受け取れる。

商品開発の川下であるユーザーの趣向を実際に聞いて、商品企画に生かす手法だ。この手法の長所は大失敗がないことであり、欠点は、「将来流行るもの」を予測せずに、「今流行っているもの」をベストとしてしまう傾向があることだ。

新型インプレッサの、流行のデザインをコラージュしたようなデザインも、このような「川下発想」の結果として見れば納得できる。しかし魅力的なブランド・アイデンティティは、一貫した個性化の努力から生まれるものであり、今後に期待する。

D視点:デザインの視点
筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---デザインジャーナリスト。元日産自動車。「ケンメリ」、「ジャパン」など『スカイライン』のデザインや、社会現象となった『Be-1』のプロデュースを担当した。

  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3

《松井孝晏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
  2. 「本気の電動二輪が出てきた」ホンダ初のフルサイズEVバイク『WN7』発表にSNS沸く
  3. トヨタと別れ独自開発? BMW『Z4』次期型の最終デザインを占う!
  4. ダイハツ『ムーヴ』開発責任者が語る、スライドドアを採用した「3つの理由」
  5. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る