公用車を飲酒運転し、さらには当て逃げ事故を起こしたとして、北海道警は7日、長沼町教育委員会で係長職にある45歳の男を道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。男は容疑を大筋で認めているという。
北海道警・札幌中央署によると、事故が起きたのは5日の午後11時50分ごろ。札幌市中央区南4条西1丁目付近の国道を走行していたタクシーに対し、並走していた乗用車が衝突した。
乗用車はそのまま逃走したが、タクシーはこれを追走。約1km先で追いつき、運転していた男に「どうして逃げる?」と問い詰めたところ、運転していた男は「これで勘弁してください」と現金3万円を手渡しした。男はタクシー運転手が警察に通報する隙をみて、クルマをその場に乗り捨て、徒歩で逃走。姿を消した。
事故を起こした乗用車は長沼町教育委員会が所有する公用車で、キーは付いたままの状態となっていた。警察は「クルマは関係者によって持ちだされた可能性が高い」として調べを進めていたところ、この教育委員会で係長職にある45歳の男が、タクシー運転手による当て逃げ容疑者の目撃情報と酷似。任意で事情を聞いたところ、容疑を大筋で認めたことから道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕している。
男は事故当日の夕方から同僚らと酒を飲み、別れた後に単独でクルマを持ち出し、札幌方面に向かったものとみられる。調べに対しては「残業などでストレスが溜まり、気晴らしに酒を飲みたかった」などと供述しているという。同町は「公用車を盗まれた」として被害届を出す方針で、警察では窃盗容疑でも調べを進めるようだ。